2000 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪細胞が産生する新規生理活性ペプチド、アペリンの医薬品開発に関する基礎研究
Project/Area Number |
11557079
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
立元 一彦 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60240694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 功 群馬大学, 医学部, 教授 (50008273)
高山 清茂 群馬大学, 医学部, 教授 (90134270)
清水 弘行 群馬大学, 医学部, 講師 (20251100)
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Keywords | アペリン / APJ / オーファン受容体 / 一酸化窒素 / NO合成阻害剤 / NO合成酵素 / 血圧 / 肥満高血圧症 |
Research Abstract |
我々は、免疫組織学的研究によってアペリンが各種組織の動脈内皮や脂肪組織などに局在していることを見いだしている。また、我々は、アペリンmRNAが脂肪、乳腺などの組織に発現していること、また、アペリンmRNAは脂肪細胞や動脈平滑筋細胞などに発現し、アペリンの受容体mRNAも脂肪細胞および動脈平滑筋細胞などに顕著に発現していることを見いだしている。そこで、アペリンの生理作用について検討したところ、ラットを用いた実験でアペリンが強力な血圧降下作用を有することを見いだした。また、アペリン12がアペリン36より強力な血圧降下作用を有することなども観察した。さらに、NO合成阻害剤の存在下でアペリンの血圧降下作用がほぼ完全に阻害されること、アペリンが血中のNOx濃度を著しく増加させることを見いだし、アペリンが血管内皮においてeNOSを介してNOの合成を促進して血管を弛緩させ血圧を降下することを示唆した。これらのことからアペリンと肥満高血圧症との関連がクローズアップされてきた。そこで、アペリンのエンザイムアッセイ法を開発して、ヒトやラットの血中アペリン濃度を測定したところ、アペリンが血中に高濃度で存在することを見いだした。今後は、アペリンと肥満高血圧症との関連を検討するために、肥満高血圧症患者等の血中アペリン濃度を測定する予定である。さらに我々は、脳におけるアペリンの生理的役割を検討した。脳室内にガイドステンレスチューブを挿入固定した雄性ラットを用い、自由運動下のもとでアペリンを投与して摂食量を測定したところ、アペリンによる摂食促進効果が見られた。また、免疫染色実験では、食欲中枢近傍にアペリン染色が観察された。本研究の結果から食欲中枢などに対するアペリンおよびAPJレセプターの関与が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Habata,Y.: "Apelin, the natural ligand of the orphan receptor APJ, is abundantly secreted in the colostrum."Biochem.Biophys.Acta. 1452. 25-35 (1999)
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[Publications] Kogure,K.: "Evaluation of serum uric acid changes in different forms of hepatic vascular inflow occlusion in human liver surgeries."Life Sci.. 64. 305-313 (1999)
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[Publications] 立元一彦: "オーファン受容体を利用した新規生理活性物質の検索"日本臨床. 58. 737-746 (2000)
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[Publications] Zou,M-X.: "Apelin peptides block the entry of human immunodeficiency virus (HIV)."FEBS Letters. 473. 15-18 (2000)
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[Publications] Tatemoto,K.: "Apelin : A novel regulatory peptide discovered as an endogenous ligand for orphan G protein-coupled receptor APJ."Regulatory Peptides. 94. 4-4 (2000)
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[Publications] Tatemoto,K.: "The novel peptide apelin lowers blood pressure via a nitric oxide dependent mechanism."Regulatory Peptides. (in press). (2001)