2000 Fiscal Year Annual Research Report
幹細胞工学を応用した分化型肝細胞の作成とその移植術の開発
Project/Area Number |
11557091
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小暮 公孝 群馬大学, 医学部, 講師 (80143220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 至 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60143492)
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Keywords | 肝幹細胞 / 肝細胞培養 / 肝再生 / 肝細胞移植 / アクチビン / フォリスタチン |
Research Abstract |
本研究では、肝臓から肝幹様細胞を分離し、それを飛躍的に増加させた後に分化させ、その後それを移植するという分化型肝細胞移植法を確立することを目的としている。すなわち少量の肝臓のサンプルから肝の幹様細胞を分離培養し、それを増殖させ増量し、次ぎにそれをin vivoで分化させ、高度の分化能を持った細胞にした上で、それを肝切除後の残存肝に自家移植し残存肝の機能を保つという方法の確立をめざしている。これまでに、灌流液の工夫によりほぼ死亡細胞が5%以内というviableな肝実質細胞ならびに非実質細胞の効率のよい採取方法を確立することができたが、本年度は1:術前処置の工夫によりラット幹様肝細胞を効率よく採取できる方法について検討した。すなわち、肝細胞を採取する際の前処置として1)Vitamin A、2)墨汁、3)フォリスタチンをそれぞれ投与しておき、いずれも24時間後に肝細胞を採取し培養した。その結果、1)では脂肪顆粒を含んだ伊藤細胞の著明な増加を認め、2)では有意にクッパー細胞の増加を認め、3)では培養後、有意に肝幹様細胞が増加してくることを認めた。現在、3)群に於いて、この肝幹様細胞を単離し、更に、増加させる方法を検討中である。次に、予備実験としてlacZ遺伝子を組み込んだアデノウイルスベクターを門脈内にone shotで投与し、肝組織片をX-Galで染色し、β-galactosidaseの活性度を検討したところ、肝細胞内にβ-galactosidaseを過剰に発現した肝細胞を確認することができた。従って、本年度は肝幹様細胞にβガラクトシラーゼ遺伝子を導入してマーカーとした後に、肝幹様細胞をin vitroで分化させた上で、肝内に投与し、「分化させた肝幹様細胞」のその後の経過を観察する予定である。今後、この幹様肝細胞に分化誘導因子アクチビンを作用させることにより、肝細胞への分化を促進する条件決定を行う予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kimitaka Kogure: "Role of activins and transforming growth factor-b in the regulation of organ mass of the rat liver"Hepatology. 31. 916-921 (2000)
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[Publications] Kimitaka Kogure: "Relation among portal segmentation, proper hepatic vein and external notch of the caudate lobe in human liver"Annals of Surgery. 231(2). 223-228 (2000)
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[Publications] Kimitaka Kogure: "A comparative study of the anatomy of rat and human livers"Journal of Hepatobiliary Pancreatic Surgeries. 6. 171-175 (1999)
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[Publications] Kimitaka Kogure: "Evaluation of serum uric acid changes in different forms of hepatic vascular inflow occlusion in human liver surgeries"Life Science. 64(5). 305-313 (1999)
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[Publications] Kimitaka Kogure: "Immediate onset of DNA synthesis in remnant rat liver after 90% hepatectomy by an administration of follistatin"Journal of Hepatology. 29. 977-984 (1998)
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[Publications] Kimitaka Kogure: "Induction of DNA synthesis in intact liver by an administration of follistatin"Abstract (11th World Congress of Gastroenterology). (1998)