2000 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入自家血管内皮前駆細胞によるハイブリッド型人工血管に関する研究
Project/Area Number |
11557099
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
広瀬 一 岐阜大学, 医学部, 教授 (20101272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 寿人 岐阜大学, 医学部, 講師 (50262770)
岩田 尚 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (90303495)
森 義雄 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助教授 (40220032)
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Keywords | 血管内皮前駆細胞 / 遺伝子導入 / ハイブリッド型人工血管 |
Research Abstract |
本研究の目的は動脈硬化性血管病変に対して長期開存を期待しうる,自家血管内皮前駆細胞を用いたハイブリッド型小口径人工血管を開発するものである。 昨年度までにヒト末梢静脈血中より自家血管内皮前駆細胞を分離し,培養の結果,肉眼的に血管内皮細胞への分化を確認した。また分離した血管内皮前駆細胞の培養条件についても,コラーゲンやフィブロネクチンなどの細胞外基質をコーティングしたディッシュ上での培養を行い,至適条件を検討している。しかしながらヒト末梢静脈血中に含まれる血管内皮前駆細胞数は,静脈血100mlに対し1x104個程度と非常に少なく,より詳細な分化の確認や,細胞機能の確認に至っていないのが現状である。 一方で本研究では,分離した血管内皮前駆細胞あるいは血管内皮細胞に対し遺伝子導入を行い,より確実な抗血栓作用あるいは速やかなハイブリッド型人工血管の生体への同化を目指している。今年度は強力な血管内皮細胞増殖因子として知られる肝細胞増殖因子(HGF)遺伝子を用いた,in vivoでの遺伝子導入実験およびその遺伝子発現の確認を行った。その結果,当教室で従来から使用している遺伝子銃により,遺伝子導入後3日目には血中HGF濃度の有意な上昇が確認された。 最近のES細胞を用いた研究では,F1k+ES細胞からの血管内皮細胞への分化が報告されており,今後はこのような細胞の使用も考慮に入れ,さらに研究を進めていく予定である。
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