1999 Fiscal Year Annual Research Report
新たなdrug delivery systemによる細胞保護法の開発
Project/Area Number |
11557113
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
青江 知彦 千葉大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90311612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古関 明彦 千葉大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40225446)
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Keywords | heat shock protein / 酸化ストレス / 細胞保護 / 分泌 |
Research Abstract |
Heat shook protein(HSP)は、発熱、炎症、虚血、再灌流などの侵襲に反応してその産生が増大することが知られている。生理的な状態においても、新たに合成された蛋白の高次構造(folding)の形成、膜の通過、複合体形成、細胞内輸送、分解などを制御するchaperoneとして働き、細胞の成長、分裂に不可欠の存在であることが明らかになっている。侵襲下には異常な蛋白が集積するために、それを制御あるいは除去するchaperoneとしての需要が高まり、細胞にとっては合目的なstress responseとして、産生が増大すると考えられる。本研究ではHSPを細胞に発現させる方法として、HerpesSimplex Virus type1(HSV-1)由来のVP22蛋白を利用した、新たなdrug delivery systemによって、HSPを侵襲に際して細胞内に導入し、細胞のstress responseを援助しapoptosis、necrosisを防ぎ、侵襲から細胞、延ては生体を保護する方法を開発する事を目的としている。 そこで、細胞保護作用の報告されている、HSP27とVP22蛋白との融合蛋白を作製した。これを培養細胞に遺伝子導入した所、細胞質、核に強く発現し、HSP27と同様に、酸化ストレスに対して、細胞保護作用がある傾向が見られた。この融合蛋白は細胞外にも分泌され、培養液を介して、他の細胞内に進入発現した。ただ、この融合蛋白は野生型のHSP27に比べて、不安定で、分解されやすい傾向が見られた。今後、融合蛋白の設計を細部に渡って検討し、安定な蛋白を開発し、その細胞保護作用をさらに、培養細胞、動物実験で検討をする。
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Research Products
(1 results)