2000 Fiscal Year Annual Research Report
生殖機能に影響する内分泌撹乱物質の同定およびその作用機構解析
Project/Area Number |
11557120
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堤 治 東京大学, 医学部・附属病院分院, 教授 (60134574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠山 千春 国立環境研究所, 環境健康部, 部長 (10150872)
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Keywords | 内分泌撹乱化学物質 / 初期胚 / エストロゲンレセプター / ビスフェノールA / ダイオキシン / ダイオキシンレセプター / 子宮内膜症 / 不妊症 |
Research Abstract |
各種内分泌撹乱物質の生殖機能への影響を解析する方法の確立を目的に、体外受精系、胚培養系、trophoblast outgrowth assay系、胚移植系、母体投与系等を確立してた。今年度の最も重要な成果は内分泌撹乱物質の中でもビスフェノールAの胚発育への影響を解明した点である。ビスフェノールAの初期胚発育モデルへの添加で、2細胞期から8細胞期への胚広い濃度範囲(fMレベルから100μM)にわたり発育率は大きな影響を受けない。ところが2細胞期胚から胚盤胞への発育率では1-3nMでは促進効果が観察され、逆に100μMでは有意に低下した。BPAの胚盤胞発育への用量反応性をみると100μMの高濃度における抑制作用と1-3nMの低濃度域における促進作用に分けて考えることができる。高濃度における作用は従来の毒性量による用量反応性のある部分と考えることができる。これに対して、1-3nMの低濃度域については毒性量と異なり、用量反応性を認めず作用も毒性と逆反応であると判断できた。しかもこの濃度は、環境中に存在し、ヒトの血液や卵胞液で検出される濃度と大きな差異はない。またビスフェノールAとエストロゲンのレセプターレベルの拮抗剤であるタモキシフェンの同時添加は、2細胞期から8細胞期への胚発育にはなんら影響を与えなかった。ところが胚盤胞発育率への、1-3nMの促進効果および100μMの抑制効果ともにエストロゲンのレセプターレベルの拮抗剤であるタモキシフェンの同時添加でそれぞれの効果がキャンセルされた。胚にはERα、βともに発現することも明らかにされており^<12>、ビスフェノールAの作用はERを経由するものと推察される。さらに着床前初期胚へのビスフェノールA作用の意味をより明らかにするために被爆して育った胚盤胞を仮親の子宮に移植した。その結果、出生3週後の体重は被爆群で有意に大であることが判明した。low dose effectという面および次世代影響の点から注目される。子宮内膜症の成因解析も進み、ダイオキシンの関連についても検討した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Osuga Ji: "Targeted disruption of hormone-sensitive lipase results in male sterility and adipocyte hypertrophy, but not in obesity."Proc Natl Acad Sci USA. 97(2). 787-792 (2000)
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[Publications] Tsutsumi O: "Breast fed infants, possibly exposed to dioxins, unexpectedly have decreased incidence of endometriosis in the later life."International Journal of Gynecology and Obstetrics. 68(2). 151-153 (2000)
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[Publications] Takai Y: "Estrogen receptor-mediated effects of a xenoestrogen, bisphenol A, on preimplantation mouse embryos."Biochem Biophys Res Commun. 270(3). 918-921 (2000)
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[Publications] Ikeda K: "Promoter analysis and chromosomal mapping of human EBAG9 gene."Biochem Biophys Res Commun. 273(2). 654-660 (2000)
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[Publications] Takai Y: "Preimplantation exposure to bisphenol A advances postnatal development."Reproductive Toxicology. 15(1). 71-74 (2000)
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[Publications] Matsumi H: "Regulation of Nitric Oxide Synthase to Promote Cytostasis in Ovarian Follicular Development.."Biol Reprod.. 63(1). 141-146 (2000)
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[Publications] 堤治: "新女性医学大系 思春期医学"中山書店. 436 (2000)
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[Publications] 堤治: "新女性医学大系 産婦人科手術の基礎"中山書店(印刷中). (2000)