1999 Fiscal Year Annual Research Report
仮想音源(バーチャルリアリティー)技術を利用した聴覚機能検査システムの開発
Project/Area Number |
11557123
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川瀬 哲明 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (50169728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 陽一 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (20143034)
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Keywords | バーチャルリアリティー / 音像定位 / カクテルパーティー効果 |
Research Abstract |
平成11年度は、以下のような検査システムの構築と予備実験を行った。 (a)空間的な音像定位検査の作成及び臨床テスト:音源としてはピンクノイズを用い、水平面に8つの音源を設定し、バーチャルシステムで音像を再現した。実際には、各提示方向毎に、現有のマイクロフォンシステム並びに、本研究費で購入した備品などを用い、鼓膜面での各周波数に対する音圧を測定、各音像方向ごとの標準的なHRTFを算出し作成していった。 次に作成したバーチャル音像による空間的な音像定位の刺激を用いて、実際の被験者を対象(健聴耳を有する被験者並びに、難聴を有する患者)に測定を行った。その結果、基本的に左右方向の定位については、ほぼバーチャル刺激で満足すべき成績が得られたが、前後方向の誤答は、被験者によって発生しやすい傾向も見られた。平成12年度は、できるだけ前後の誤答が少なくなる刺激システムの改良を行う。 (b)背景雑音下の信号聴取検査の作成:雑音下での信号聴取は、信号と雑音が同一方向から出ている場合と、異なる方向から提示されている場合で大きく異なる(カクテルパーティー効果)。信号に対する雑音の方向をシステミックに変化させたテスト条件をシミュレーションし、空間的な要素も含めた聴力検査システムを作成する。平成11年度は、予備実験として正常被験者を対象に、本検査に適切な雑音の方向を検討した。来年度は、臨床応用の為のシステムの作成と、正常被験者並びに難聴者を対象とした計測を行う。
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