2001 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜結合型プロセッシング酵素に対する新しい蛍光基質の作製とその応用
Project/Area Number |
11557138
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Research Institution | NAGASAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
加藤 有三 長崎大学, 歯学部, 教授 (20014128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 詠子 長崎大学, 歯学部, 教務職員 (10176612)
小林 泰浩 長崎大学, 歯学部, 助手 (20264252)
柴田 光枝 長崎大学, 歯学部, 助手 (20274665)
粟屋 昭 三井製薬工業, 製品計画部, 主席部員
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Keywords | D-PDMP / Glycolipid / ODF(RANKL) / Osteoclast / Processing enzyme |
Research Abstract |
破骨細胞は血球系幹細胞から分化し、その分化過程において間質系細胞膜結合型タンパク質-破骨細胞誘導因子(ODF/RANKL)-が必須の因子として同定されている。我々は、その膜結合型ODFのプロセッシングに関与する酵素の同定を目的としてきた。ODFには膜結合型と遊離型の二種類が存在しているが、近年様々なグループより膜結合型から遊離型へのプロセッシングを担う酵素の同定がなされてきた。それら膜結合型受容体の機能調節に糖脂質が関わっていることが示されてきているため、糖脂質の破骨細胞分化における役割を調べたところ非常に興味深い知見を得た。糖脂質は細胞内シグナル伝達等多岐にわたる機能を持っているが、これにGlucosylceramide合成阻害剤であるD-threo-1-phenyl-2-decanoylamino-3-morpholino-1-propanol (D-PDMP)を加えると、破骨細胞の分化が抑制された。D-PDMPはCeramideからGlucosylceramideへの糖の付加を抑制するため、それ以下のIactosylceramide (LacCer), GM3といった糖はすべて付加されない。そこで、どの糖が重要であるのかを調べるために戻し実験を行ったところ、LacCerがD-PDMPによって抑制された破骨細胞の分化を有意に回復した。また、ODFはNF-kBやERKのリン酸化を介してシグナルを伝達することが知られている。これらのリン酸化もD-PDMPにより抑制されたが、LacCerの添加によりリン酸化の回復が認められた。以上の結果により、D-PDMPによる破骨細胞の分化制御に糖脂質、特にLacCerが深く関わっていることが明らかとされた。
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[Publications] Iwamoto T., et al.: "Lactosylceramide is essential for the osteoclastgenesis mediated by macrophage colony-stimulating factor and receptor activator of nuclear factor-kB ligan"Journal of Biological Chemistry. 276. 46031-46038 (2001)
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[Publications] Sakai E., et al.: "Characterization of phagosomal subpopulations along endocytic routes in osteoclasts and macrophages"Journal of Biochemistry. 130. 823-831 (2001)
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[Publications] Hashimoto F., et al.: "Expression and localization of MGP in rat cementum"Archives of Oral Biology. 46. 585-592 (2001)