2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11557141
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Research Institution | TOKYO DENTAL COLLEGE |
Principal Investigator |
奥田 克爾 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (40085741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
君塚 隆太 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (90287178)
石原 和幸 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (00212910)
加藤 哲男 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (00159253)
山中 あゆみ 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (40231667)
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Keywords | 不顕性誤嚥 / 肺炎 / 老年者 / 口腔細菌 / 混合感染 / Porphyromonas gingivalis / Treponema denticola / 炎症性サイトカイン |
Research Abstract |
口腔内バイオフィルムがさまざまな全身性の疾患に関与しているという知見が報告されるようになってきた。セルフケアで口腔清掃ができない要介護者に、歯科衛生士が毎週メカニカルな方法で口腔内バイオフィルムを除去してやると、発熱回数、口臭、肺炎による死亡率が減少するということ、さらには、口腔内のブドウ球菌数やCandida albicansの菌数を減少させる効果のあることも発表してきた。 マウス肺炎モデルを導入しこれらの歯周病原菌の単独感染接種での菌の消長及び炎症性サイトカイン産生誘導などを検討した。Porphyromonas gingivalisとTreponema denticolaの両菌種は共生することでお互いの病原性を高めるという報告があるため、最終の2年度は、両菌種を混合接種することで肺炎を起こすか否かを検討した。 肺へのP. gingivalisとT. denticola混合菌接種マウスでは、72時間後に肺胞洗浄液から生菌が回収できたが、P. gingivalis単独接種群からはほとんど生菌が回収できなかった。肺胞洗浄液中のTNFα,IL-6,KC(ヒトIL-8様サイトカイン)量は、P. gingivalis単独菌接種と比較して有意にそのレベルは上昇していた。 P. gingivalisとT. denticola混合菌接種によって、互いの病原性が高められることが考えられる。両菌種のプロテアーゼに加えて、両菌種が共凝集することによって、菌塊となって宿主防御メカニズムから回避して、病原性を高めることが考えられる。口腔細菌の呼吸器系への関わりに関する研究ならびに実験的なマウスでの肺炎に関する学会発表できた。今後、細胞侵入性同様に、P. gingivalisを中心にして、特定の遺伝子欠損株などを供試して検討していきたい。その上で、不顕性老人性呼吸器感染予防に繋がる有効な唾液抗体産生の研究に展開したい。
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