1999 Fiscal Year Annual Research Report
根尖性および辺縁性歯周炎治療におけるビスフォスフォネートの応用に関する研究
Project/Area Number |
11557146
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
石井 信之 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (20163610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千枝 桂子 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (40267513)
南田 厳司 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (70288083)
角田 晃 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (70236933)
今井 喜良 山之内製薬, 研究企画部, 研究主管
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Keywords | Bisphosphonate / 破骨細胞 / 骨吸収 / YM175 |
Research Abstract |
本研究ではBisphosphonate(YM175)を根尖性歯周炎および辺緑性歯周炎の治療に応用することを目的とし、投与薬剤ベクターの開発と投与方法および投与期間の決定を試みた。Bisphosphonateを投与する際に薬剤徐放効果を満たすベクターとしてcarboxymethylcelluloseを選択し、破骨細胞の形成抑制作用を検討した。実験にはストローマ細胞と骨髄細胞の破骨細胞誘導実験系を使用し、10-6M YM175を0,2,5および10% carboxymethylcelluloseを含有した混合液を添加した。その結果,いずれのcarboxymethylcellulose混合液濃度においても、carboxymethylcellulose非含有10-6M YM175と同程度の破骨細胞形成抑制作用および骨吸収抑制作用を示した。また、10-6M YM175を同実験系に0-3day、0-6dayおよび0-9dayの投与期間で破骨細胞形成抑制作用および骨吸収抑制作用を検討した結果、0-3dayのYM175投与はcarboxymethylcelluloseの有無に関わらず0-6dayおよび0-9dayのYM175投与における作用と比較して有為な変化は認められなかった。すなわち、YM175はハイドロキシアパタイトへの親和性が強いため薬剤徐放効果による破骨細胞活性抑制は必要がないと示唆された。以上の結果から、根尖性歯周炎の根管内治療薬および辺緑性歯周炎の歯周ポケット内洗浄薬として治療に応用する際には、薬剤徐放効果を満たすベクターとしてcarboxymethylcelluloseは必要ではないと示された。しかしながら、口腔内含嗽として応用する際には、口腔粘膜への付着時間はcarboxymethylcellulose混合液の使用が効果的であると示唆された。
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