2001 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の遺伝子治療における細胞ターゲティング法の確立に関する研究
Project/Area Number |
11557156
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高橋 雄三 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (50014329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳下 正樹 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70132793)
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Keywords | 遺伝子導入 / 口腔癌 / 扁平上皮癌 |
Research Abstract |
我々はいくつかの癌細胞株をヌードマウスに移植しその生着性を検討した。最初、背部皮下に生着を認める細胞株を検討し、さらに口腔領域(舌、頬粘膜)へのinjectionで生着可能な細胞株を選別することが出来た。また、口腔癌で起こり得る頚部リンパ節転移のモデルも確立し、転移関連遺伝子導入の際の効果の検討に用いることとした。 ターゲット遺伝子は、接着分子であり抗腫瘍免疫反応を増大しうるCD80遺伝子にまず着目した。さらに、遺伝子導入効率を検討しながら、その他の遺伝子を選別した。特にヘパラネースは、脈管を構成する基底膜の主成分であるヘパラン硫酸プロテオグリカンの糖鎖を分解し、がん転移との関連性があると考えられており、実際、転移性が高くヘパラネース発現の高いいくつかの細胞株を対象とした。ヘパラネース遺伝子のアンチセンスの導入でがん転移抑制をうながすことが予想された。さらに、アポトーシス誘導遺伝子であるASK1についても検討した。 遺伝子導入については、in vitroの予備実験で検討を行なうも、レトロウイルスベクターでは、導入効率の低く導入には不適と考え、アデノウィルスベクターもしくは、プラスミド単体を用いることとした。前者に関しては、ベクターそのもののinject法を施行していったが、効率のよい導入は得られなかった。しかし、後者に関しては、鶏の初期胚においては、エレクトロポレーション法を用いることで、プラスミドの効率を高めることに成功している。発現はtransientなものがむしろ臨床的に扱いやすいと考えられる。今後、実際のヌードマウスの口腔腫瘍モデルにおけるターゲット遺伝子のエレクトロポレーション法によるプラスミド導入をさらに検討していく予定である
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Minoru Ikuta, et al.: "Expression of heparanase in oral cancer cell lines and oral cancer tissues"European Journal of Cancer. Pt.B. Oral Oncology. 37. 177-184 (2001)
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[Publications] Kei-ichi Morita, et al.: "Negative feedback regulation of ASK1 by protein phosphatase 5 (PP5) in response to oxidative stress"EMBO Journal. 20. 6028-6036 (2001)
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[Publications] Ken-ichi Katsube, Man-li Chuai, Yen-Chun Liu, Yuji Kabasawa, et al.: "The expression of chicken NOV, a member of the CCN gene family, in early stage development"Gene Expression Pattern. 1. 61-64 (2001)