2000 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の発癌機構におけるヘリコバクターピロリの関わりについての検討
Project/Area Number |
11557159
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
飯塚 忠彦 京都大学, 医学研究科, 教授 (80026921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠元 貴司 京都大学, 医学研究科, 助手 (10301251)
横江 義彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (30211650)
若月 芳雄 京都大学, 医学研究科, 講師 (40220826)
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Keywords | Helicobacter pylori / 口腔扁平苔癬 / PCR |
Research Abstract |
口腔癌は胃癌との重複が食道癌に次いで多い。難治性粘膜疾患である口腔扁平苔癬は稀に癌へと移行するが、胃癌の発癌因子として近年注目されているヘリコバクター・ピロリ(以下H.pylori)と扁平苔癬との関連性については不明である.そこで今回われわれは扁平苔癬患者におけるH.pylori陽性率を検討した.対象患者は口腔外科受診中の扁平苔癬患者9名(男性3名、女性6名、平均年齢51.6歳)であった.検討方法としては、上部消化管におけるH.pylori感染を検討するため尿中H.pylori IgG抗体にて陽性の有無の検討を行った.また口腔内におけるピロリ菌の存在を検討するため、患部swabならびに唾液の採取を行ったのち、UreA遺伝子のHP64-f,HP64-bをprimerとしてPCRを行った.その結果、9名中5名(55.6%)においてH.pylori陽性と判定された.また口腔内に存在するH.pyloriは9名中4名(44.4%)から検出された.この検出率はわれわれがおこなった外来受診者の口腔内H.pylori陽性率19.0%(男性27名、女性15名、平均年齢41.4歳)に比べ著しく上昇していた.また口腔外科受診者また近年HCVとの関連性が示唆されているが、血清抗体による陽性者は9名中2名(22.2%)であった.今後、凍結組織標本を作成し、H.pyloriならびにNF-κB、TNF-alpha、IL-1について免疫組織化学的検討を行う予定である.
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Research Products
(1 results)