2000 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチド性細胞機能制御物質の合成と医薬品素材としての開発研究
Project/Area Number |
11557171
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
濱田 康正 千葉大学, 薬学部, 教授 (90117846)
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Keywords | 環状ペプチドGE3 / ポリオキシペプチン / 細胞周期阻害 / アポトーシス / ピペラジックアシッド / (2S,3S)-3-ヒドロキシロイシン / (2S,3R)-3-ヒドロキシ-3-メチルプロリン |
Research Abstract |
本研究では相互に関連した2種天然有機化合物である細胞周期阻害活性環状ペプチドGE3とアポトーシス誘起活性環状ペプチドポリオキシペプチンの全合成研究を行うと共に同族体の合成を通して新しい作用機作を持つ抗癌剤の創製を目指している。GE3は協和発酵のグループにより放線菌から発見(1997)された環状へキサペプチドで細胞周期のG1期からS期への進行を制御する転写制御因子E2Fを阻害し,強い抗細胞活性(IC50=1〜20nM)を示す。in vivoで人すい臓癌に対して抗癌作用を示すことが報告されている。また,ポリオキシペプチンは梅沢らにより放線菌から単離(1998)された環状へキサペプチドで人すい臓癌細胞に作用してアポトーシスを誘起する。本年度はGE3とポリオキシペプチンの両方に含まれる(S)-と(R)-ピペラジックアシッドと(2S,3S)-3-ヒドロキシロイシンの不斉合成法の開発とポリオキシペプチンに含まれる(2S,3R)-3-ヒドロキシ-3-メチルプロリンの短工程の合成法を開発した。(S)-と(R)-ピペラジックアシッドはキラルジエンとウラゾール誘導体のディールス-アルダー反応により立体選択的に合成する方法を見い出した。この方法は過剰のルイス酸により立体選択性が上がるものでこれ迄のキラルジエノフィルをルイス酸で活性化する方法と違い、新しい手法である。(2S,3S)-3-ヒドロキシロイシンはイソ酪酸無水物とイソシアノ酢酸エステルから得られるオキサゾール誘導体からアシルアミノ酸誘導体を得、これをキラルルテニウム触媒で不斉還元して、95%eeの高い立体選択性で合成することに成功した。また、(2S,3R)-3-ヒドロキシ-3-メチルプロリンはメチルビニルケトンとN-トシルグリシンエステルとの分子間マイケル反応、分子内アルドール縮合による連続反応で一挙に基本骨格をラセミ体として得た。現在、これの光学分割並びに環状ペプチド骨格の合成を検討中である。
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