2000 Fiscal Year Annual Research Report
細胞性粘菌由来の抗腫瘍因子DIFのレセプターの同定及び新規DIFアナログの開発
Project/Area Number |
11557177
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
保坂 公平 群馬大学, 医学部, 教授 (70108992)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 博之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00211699)
川合 進二郎 大阪歯科大学, 歯学部, 助教授 (70131381)
小島 至 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60143492)
|
Keywords | 細胞性粘菌 / 分化誘導因子 / DIF / Xenopus laevis / 卵母細胞 / cAMP / Jarkat細胞 / Jac / Statシグナル伝達 |
Research Abstract |
DIFは細胞性粘菌の柄細胞分化誘導因子として同定された物質であるが、哺乳類腫瘍細胞に対しても、細胞内カルシウムの上昇、増殖抑制、アポトーシス誘導、分化誘導などの多彩の生理機能を及ぼすことが明らかにされている。昨年度は、DIFの直接的な細胞内標的分子について検討し、DIFが細胞内のカルシウム上昇を惹起するとともにカルシニューリンの活性化を起こすことを明らかにしてきた。今年度は、Xenopus laevisの卵母細胞のProgesteron(PG)で誘導されるgerminal vehicle break down(GVBD)に対する効果を解析した結果、DIF-1が10-40μMの濃度でPGで誘導されるGVBDを阻害することが分かった。また、同時にPGで誘導されるMAP kinaseとc-mos mRNA translationの活性化も阻害された。その理由はDIF-1がPGで誘導されるcAMPの減少のブロックに起因することが判明した。またヒト白血病Jarkat細胞はDIF-3によりアポトーシス誘導されるが、それを詳細に検討した結果DIF-3はJac/Statシグナル伝達系を活性化することを見いだした。DIF-3処理は細胞質のJac1とTyk2の一過性発現増大を惹起した。またStat1の発現を増大をし、その核への移行は阻害したが、ISGF3とIRF2は全く変化しなかった。これらの結果はDIFがJarkat細胞のJac/Statシグナル伝達系を構成する初期反応を活性化するとともに、Stat分子の動態に顕著な影響を及ぼすことを示している。
|
-
[Publications] Xue,H.W.,Hosaka,K.,Plesch G.,and Mueller-Roeber B: "Cloning of Arabidopsis thalina phesphatidylinosetol synthase and functional expression in the yeast pis mutant."Plant.Mol.Biol.. 42巻. 757-764 (2000)
-
[Publications] Iwai,S.,Suyama,E,Adachi,H.,and Sutoh,K.: "Characterization of a C-terminal-type kinesin-related protein from Dictyostelium discoideum"FEBS Lett.. 475巻. 47-51 (2000)
-
[Publications] Kon,T.,Adachi,H.and Sutoh,K.: "ami B, a novel gene required for the growth/differentiation transition in Dictiostesium"Genes & Cells.. 5巻. 43-55 (2000)