2000 Fiscal Year Annual Research Report
ERGIC-53結合特異性改変による小胞輸送の改変と分泌蛋白質糖鎖構造の制御
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11557178
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 一夫 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20174782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 直樹 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (40239108)
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Keywords | ERGIC-53 / レクチン / 小胞輸送 |
Research Abstract |
ERGIC-53のレクチンドメインおよび細胞質ドメインの輸送配列を置換した18種類のキメラ分子を細胞内で発現させ、これらキメラレセプターの細胞内の局在の変化やそれに伴う細胞表面の糖蛋白質の変化を、生化学的・細胞生物学的手法により解析を行った。第一に改変ERGIC-53の発現と細胞内局在性の変化を調べる目的で、抗Myc抗体を用いてそれぞれの改変レセプターの局在性を共焦点レーザー顕微鏡により観察した。その結果、付加させた輸送配列が予想通り機能し、組換体ERGIC-53分子は予想された局在性を示していた。第二に改変ERGIC-53による輸送に伴う細胞表面糖鎖構造の変化を調べる目的で、レクチンドメインあるいは細胞質内の輸送シグナルを改変したERGIC-53分子を発現させたMDCK細胞における種々の糖蛋白質上に提示されている糖鎖構造を、レクチンにより染色を行った。方法はウエスタンブロッティングとフローサイトメトリーによる2通りの方法を用いた。その結果(1)まず、組換体ERGIC-53を発現による細胞内輸送の変化は、組換体ERGIC-53の発現量の多い細胞株で顕著であったこと、(2)ERGIC-53の局在化シグナルを他の輸送シグナルに置換することにより、その局在を変えることができたこと、(3)レクチンドメインを変化させることにより、異なる糖鎖を持つ蛋白質を選別し輸送していること、(4)この輸送ルートの変更場所で改変ERGIC-53のレクチンドメインが認識可能な糖鎖を生合成している場合、その輸送効率は良く、細胞表面に運ばれた糖蛋白質糖鎖構造はそれに対応するものが増加していることが明らかになった
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[Publications] 山本一夫: "Epitope mapping of monoclonal antibodies specific for macrophagl lectin"Mol.Immunol. 37. 151-160 (2000)
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[Publications] 山本一夫: "The functional binding site for the c-type lectin-like NK cell receptor Ly49A spans three domains of MHC class I Ligand"J.Exp.Med.. 193. 147-157 (2001)
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[Publications] 山本一夫: "Order and maximum incorporation of N-acetylgalactosanine into threonine residues of MUC2 core peptide with microsome fraction of human colon calcinoma LS174T cells"Biochem.J.. 347. 535-542 (2000)