2001 Fiscal Year Annual Research Report
新規β-アミロイド生成システムの開発と薬剤スクリーニングへの応用
Project/Area Number |
11557179
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鈴木 利治 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (80179233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸本 恭正 第一製薬株式会社, 創薬第3研究所, 研究員
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Keywords | アルツハイマー病 / β-アミロイド / アミロイド前駆体タンパク質 / プレセニリン / NF-κB / GeneChip |
Research Abstract |
アルツハイマー病の発病原因として、β-アミロイド(Aβ)の生成・分泌・凝集・細胞外蓄積が考えられている(アミロイド仮説)。Aβは、前駆体タンパク質APPから細胞内分泌経路で生成され、遺伝子変異を持つ家族性アルツハイマー病では、全てAβの産生が上昇する。しかしながら、患者数の多い弧発性アルツハイマー病では、遺伝子変異を持たないがAβの産生が上昇する。H11年度までに、APPの正常な代謝経路選択に必要なシグナルを同定し、APP→CTFβ→Aβの反応を一段階ずつとらえるA"生成システムを完成させ、本システムが遺伝子変異がない場合のγ-セクリターゼ阻害薬のスクリーニング系に有用である事を示した。 さらに、H12年度には、NF-κB/p65が凝集活性の高いAβ42の生成を特異的に上昇させる事を発見した。そこで、本年度は転写因子NF-κB/p65がκBモチーフを持つ下流の遺伝子をGeneChip法を用いて解析し、Aβ生成抑制に効果のある薬剤スクリーニングのターゲット分子の同定を試みた。Affymetrix社のヒト遺伝子約12,000がのっているGeneChipに対して、NF-κB/p65もしくはベクターのみを導入・発現させたAPPを安定に発現しているHEK293細胞由来のmRNAからcRNAを調製して、ハイブリダイゼーションを行った。NF-κB/p65を発現した場合、2倍以上に発現が上昇した遺伝子216、減少した遺伝子149を同定した。発現が上昇した遺伝子中には、Aβの産性に影響を与える可能性のあるもの25をピックアップして、細胞を用いたアッセイ系に戻し、Aβ生成に及ぼす効果を検討中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ando, K., Iijima, K, (2名略), Suzuki, T.: "Phosphorylation-dependent regulation of the interaction of amyloid precursor protein with Fe65 affects the production of β-amyloid"The Journal of Biological Chemistry. 276. 40353-40361 (2001)
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[Publications] Sato, Y., (3名略), Suzuki, T., Kirino, Y: "β-amyloid peptides inhibit acetylcholine release from cholinergic presynaptic nerve endings isolated from an electric ray"Neuroscience Letters. 302. 97-100 (2001)
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[Publications] Nakaya, T., (3名略), Suzuki, T., Kirino, Y.: "Identification and expression of a novel gene in odour-taste associative learning in the terrestrial slug"Genes to Cells. 6. 43-56 (2001)
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[Publications] 中矢正, 鈴木利治, 新井平伊: "アミロイド蛋白とアルツハイマー病"分子精神医学. 11・3. 242-250 (2001)
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[Publications] 富田進, 鈴木利治: "タンパク質間相互作用 PDZドメイン"生体の科学. 52・5. 496-487 (2001)
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[Publications] 多留偉功, 馳桃子, 鈴木利治: "遺伝子発現/転写および関連事象 Rel ホモロジードメイン"生体の科学. 52・5. 386-387 (2001)