1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11557194
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
際田 弘志 徳島大学, 薬学部, 教授 (50120184)
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Keywords | リポソーム / マンノース / アジュバント / ワクチン / FCA / セチルマンノシド |
Research Abstract |
セチルマンノシドにより表面修飾したリポソームがアジュバント効果を有し,BSAを封入しラットに皮下投与すると抗BSA抗体を産生することは前年度までの研究で明らかにしている。今年度においては,この効果発現における最適条件を探索するために,リポソーム膜の流動性,粒子径,およびマンノース修飾率を変化させ,皮下投与2週間後の抗体産生量を測定した。その結果水素添加ホスファチジルコリンを基剤とする膜流動性が低く,マンノース修飾率が30%,粒子径は200nmのリポソームが検討した中では最も高い抗体産生量を示すことが明らかとなった。この産生量はポジティブコントロールとして用いたFCA(フロイントの完全アジュバント)を凌ぐものであった。FCAは実験動物を免疫感作するために頻繁に用いられる極めて強力なアジュバントであるが,その強い毒性のため人体には適用されていない。人体に適用可能なアジュバントとしてはアルミニウム塩からなるAlumがあるがその効果はFCAに比較して格段に低い。セチルマンノシド修飾リポソームは重大な毒性は想定されないため,本研究で得られた知見はヒトに適用可能なより効果的なワクチンの開発の可能性を示唆するものである。
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