2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11557198
|
Research Institution | Graduate School of Pharmaceutical Sciences, Nagoya City University |
Principal Investigator |
今川 正良 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (20136823)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 淳一 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (90218131)
塚本 喜久雄 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (20183478)
田口 良 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (20080210)
斎藤 幸一 (株)住友化学工業, 主任研究員
|
Keywords | 環境評価法 / コファクター / エストロゲン受容体 / 酵母 / 内分泌かく乱物質 |
Research Abstract |
内分泌かく乱物質の検出方法を確立しその環境評価法を開発するため、酵母two-hybrid法によるアッセイ系を検討してきた。昨年度より、異なった観点から内分泌攪乱作用を検討するため、核内ホルモン受容体スーパーファミリーに属するPPARγの認識配列を中心に検討した。本年度は、PPARγの標的遺伝子を中心に検討し、以下の結果を得た。 1)PPARγの強制発現細胞を樹立した。この細胞は本来は脂肪細胞に分化できないが、リガンド存在下でのみ分化する。種々検討の結果、内分泌かく乱作用のレポーター細胞として機能できることを見いだした。 2)上記細胞を用いてサブトラクション法により、PPARγによって発現が上昇または減少する遺伝子群の単離を試みた結果、新たな標的遺伝子群を多数単離した。 3)上記細胞を用いて、PPARγにより、またはPPARγのリガンドにより発現の変動する蛋白質群を2次元電気泳動法により分離し、多数見いだした。これらは質量分析計を用いて同定した結果、数種類の同定に成功した。これらの一部はノザンブロット解析の結果実際にmRNAレベルでも変動していることが明らかになった。 4)PPARγをバキュロウイルスで発現させ、全ゲノムPCR法により、ゲノム中のPPARγ結合配列を多数単離した。さらに、それらの一部については、その配列近辺に存在する遺伝子を探索した。さらに、この遺伝子が実際にPPARγにより発現が変動する遺伝子であることを明らかとした。 これらの結果は、従来のエストロゲン様作用だけではなく、昨年度指摘したPPARγ受容体を介したクロストークに対して応用の可能性を示唆するものと考えられた。
|