2001 Fiscal Year Annual Research Report
外因性内分泌かく乱物質による輸送・代謝を中心とする生体防御系(解毒機構)への影響
Project/Area Number |
11557200
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
村上 照夫 広島大学, 医学部, 助教授 (20136055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 純也 広島大学, 医学部, 助手 (20301301)
高野 幹久 広島大学, 医学部, 教授 (20211336)
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Keywords | 内分泌撹乱物質 / ゲニステイン / P-糖蛋白質 / チトクロームP-450 / Caco-2 / LLC-GA5-COL150 / 生体防御機構 / ABCトランスポーター |
Research Abstract |
ATP依存的な異物排出ポンプ・P-糖蛋白質(P-gp)は、種々の代謝酵素、特にCYP3A分子種と共に、生体の解毒・防御機構として重要な役割を担っている。これら両機能蛋白質は、消化管、肝、腎、眼あるいは脳などにおいて発現しており、異物侵入(吸収)の制限、排出の促進、あるいは代謝解毒により、異物の組織(細胞内)蓄積を低減する働きを有している。 本研究では種々外因性内分泌かく乱物質のP-gp/CYP3Aに及ぼす影響についてin vitroおよびin vivoで検討した。 (1)細胞実験において、bisphenol-A, thbutyltin,およびgenisteinは、内因性エストロゲンであるestradiolやprogesterone,および合成エストロゲンhexesterol同様、P-gp活性を有意に阻害した。またgenisteinの膜輸送にP-gpが関与することが示唆された。 (2)Estradiolあるいはtamoxifen(エストロゲン受容体の結合阻害剤)を新生児期のラットに投与した場合、思春期(8週齢)の性器重量は雌雄ラット共に低下した。 (3)肝P-gp発現と活性、および肝CYP3A活性に明らかな性差が認められた。 P-gp:雌>雄、CYP3A:雄>雌。 (4)Estradiolの新生児期暴露により、思春期の肝CYP3A活性は特に雌で有意に増大した。 (5)Tamoxifenの新生児期暴露により、思春期の肝P-gpの発現および活性は特に雌で有意に増大した。 これらの知見は、特に幼児期の各種内分泌かく乱物質の暴露は、P-gpやCYP3Aなど生体防御機構に重篤な影響を与える可能性があることを示唆するものである。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] R.Yumoto: "Pharmacokinetic interaction of cytochrome P450 3A-related compounds with rhodamine 123, a P-glycoprotein substrate, in rats pretreated with dexamethasone"Drug Metab. Disp.. 29・2. 145-151 (2001)
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[Publications] Z.-H.Huang: "Expression and function of P-glycoprotein in rats with carbon tetrachloride-induced acute hepatic failure"J. Pharm. Pharmacol.. 53. 873-881 (2001)
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[Publications] T.Murakami: "Factors affecting the expression and function of P-glycoprotein in rats : drug treatments and diseased states (Review)"Pharmazie. 57・2. 102-107 (2002)