1999 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外光を用いた非侵襲的脳機能評価法の確立-脳血管障害患者でのf-MRI,SPECTとの比較-
Project/Area Number |
11557207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
篠原 幸人 東海大学, 医学部, 教授 (60051504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 文男 日立メディコ株式会社, 技術研究所, 主任研究員
立川 浩 東海大学, 医学部, 助手 (90266396)
灰田 宗孝 東海大学, 医学部, 講師 (20208408)
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Keywords | 近赤外光 / 光トポグラフ / 脳機能 / f-MRI / 脳血管障害 |
Research Abstract |
本年度は近赤外光を用いた光トポグラフ装置により得られる信号の持つ意味合いについての基礎的検討を行った。光トポグラフはヘモグロビンの酸素状態に依存した画像を得ることが原理的に可能であるが、真にそのようなヘモグロビン量に関連した画像が得られているかを検証するために、functional MRI(f-MRI)との比較検討を行った。f-MRIは脳活性時に増加するとされるoxy-Hb量に依存するその信号強度を有する(BOLD効果)。3名の健康成人に対して、f-MRIと光トポグラフとを同時に測定した。その結果、oxy-Hb、total-Hbとf-MRI信号とは有意な相関を示したが、deoxy-Hb信号では相関が認められなかった。このことは光トポグラフにより、f-MRI同様脳の活性化を測定できることが示され、光トポグラフは脳機能測定装置の一つであることが示された。更にdeoxy-Hbの変化などf-MRIでは検出困難な情報をも得ることが可能であることが示された。従って、脳血管障害患者への適応では閉塞性脳血管障害患者でのf-MRI信号が得にくいことに対して、光トポグラフはより信号を検出しやすいといえる。本装置はヘモグロビン量の絶対値が求まらないことから、今後の測定は何らかの負荷を加えることで、イベントに関連した変化を検出する方法を採用することとした。相対的変化による評価はより一般性を持たせることができるためである。現在、内頚動脈患者、脳梗塞患者、静脈洞血栓症などの脳血管障害患者についての測定を重ねている。
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