2000 Fiscal Year Annual Research Report
独居高齢者の健康状態モニタリングシステムの実用化に関する研究
Project/Area Number |
11558047
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
太田 茂 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (10233123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 俊夫 ソレックス(株), 開発部開発室, 室長
田中 昌昭 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (60258267)
岡田 美保子 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (20111742)
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Keywords | 独居高齢者 / 生活状態モニタリング / 健康状態の推測 / 別居家族によるモニタ / 焦電型赤外線センサ / 加速度計 / インターネット配信 |
Research Abstract |
本研究の目的は、情報・通信技術を駆使して独居高齢者の生活状況を別居中の家族に伝えることによって本人と家族の不安軽減と緊急通報を可能にするモニタリングシステムを構築することである。 この手段として我々は焦電型赤外線センサを重視しており、昨年には配線工事の簡略化や設置の自由度向上を目指して小型化を図った。しかし、有線式には限界があり、無線化が望ましいという結論に達したので、その方向で作業を進めている。 また、長時間静止した人体は検知できないという赤外線センサの欠点を補うため、歩行等の行動に関する情報が連続的かつ多面的に得られる加速度計を組み込んだ携帯型行動検知装置を開発し、常時携行によって得られる宅内運動量を活用するための試みも開始している。 加速度計を用いることで転倒検出に関する情報も得られる見通しだが、携帯型センサでは避けることができない携行忘れに対処するため、その心配がない据置型センサも視野に入れており、室内振動解析装置を試作した。センサとしては、ストレインゲージ等の特殊なものは避け、使い易くコスト的にも有利な音響センサを利用することにした。既に、データ収集は現可能な段階に達している。 宅内行動の解析方法については、部屋間移動回数に基づくマトリクス指標の他に、各センサの時間帯別応答頻度曲線(ヒストグラム)の長期的相互類似性判定法を実用化した。一般に、独居高齢者のヒストグラムは、連日、良く似た形状を呈するが、時刻の揺れと応答頻度のバラツキが常にあり、単純な比較は困難である。しかし,時間と回数を正規化した上で波形の相似度を判定しているので、最終判定結果の精度は著しく向上した。
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[Publications] 太田茂: "高齢者のためのモニタリング"情報処理. 41巻6号. 639-643 (2000)
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[Publications] 品川佳満,岸本俊夫,谷川智宏,難波克司,井筒岳,太田茂: "赤外線センサによる独居高齢者の在宅行動モニタリングシステム"第16回ライフサポート学会徳島大会論文予稿集. 16巻. 18 (2000)
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[Publications] 太田茂: "IT革命と障害者-現代を生き抜く知恵-"働く広場(日本障害者雇用促進協会発行). 2000年9月号. 4-9 (2000)
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[Publications] 品川佳満,岸本俊夫,谷川智宏,難波克司,太田茂: "独居高齢者宅における赤外線センサを利用した在宅モニタリングシステム,-居室滞在時間の変化に注目した緊急通報システムの構築-"第23回日本ME学会中国四国支部大会論文集. 23巻1号. 58 (2000)
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[Publications] 難波克司,品川佳満,谷川智弘,太田茂,岸本俊夫: "リアルタイムDPマッチングによる独居高齢者行動パターン自動解析への試み"第23回日本ME学会中国四国支部大会論文集. 23巻1号. 57 (2000)