2000 Fiscal Year Annual Research Report
地域防災計画に基づく洪水災害対応シミュレーションシステムの開発
Project/Area Number |
11558050
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀 智晴 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20190225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 賢治 京都大学, 防災研究所, 助手 (30283625)
椎葉 充晴 京都大学, 工学研究科, 教授 (90026352)
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Keywords | 地域防災計画 / 防災力 / 災害対応 / シミュレーション / 水防訓練 / タスク分析 / 人工知能 / ルールベース |
Research Abstract |
本研究では,災害の発生する空間が自然・住民・防災機関の3つの場から構成されているととらえ,特に地域防災計画に規定される防災機関の災害対応行動を中心にしつつ災害事象全体のシミュレーションを行うシステムを開発する。 平成12年度は研究計画の2年目として、実際に地域防災計画に規定された災害対応行動をルールベース化することを中心に検討を進めた。具体的には、 1.災害対応の具体的な行動をモデル化するため、水防訓練記録に着目し、訓練を構成するタスクを抽出した。さらに、抽出したタスクを、(1)地域防災計画レベルの表現で記述される災害対応タスク、(2)災害対応タスクを構成する要素で訓練要綱レベルで表現される災害対応要素タスク、(3)災害対応タスクおよび要素タスクを構成するが、特に災害と関連しない表現で記述される常識的行為、にまで分解し、災害対応行動の行動様式を分析した。 2.1.で分析した行動様式を計算機上で再現するために必要な機能を持つ個々の職員に着目し、汎用性のある災害対応要素行動モデルを開発した。すなわち、地域の防災システムの災害対応能力を検証するためのシミュレーションモデルの雛型を完成させた。 3.災害対応行動と自然外力の関係を明らかにするとともに、防災機関が災害対応を開始するための情報取得の過程を分析し、それらをモデルに取り入れた。 4.滋賀県水防訓練要領の職員の行動規定の記述内容を防災機関の職員ごとにルール化し、災害対応行動シミュレーションを行った。 シミュレーションの結果から、より拡張的な災害対応行動シミュレーションの可能性の検証を行った。
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