2000 Fiscal Year Annual Research Report
原子力災害時の避難所に指定された学校における平時のPA教育と事故時の為の対策
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11558064
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Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
松澤 孝男 茨城工業高等専門学校, 一般科目, 助教授 (40005989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 信二 茨城工業高等専門学校, 一般科目, 助教授 (70249746)
添田 孝幸 茨城工業高等専門学校, 一般科目, 助教授 (70197002)
山本 茂樹 茨城工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (90123984)
河原 永明 茨城工業高等専門学校, 一般科目, 助教授 (30204754)
長本 良夫 茨城工業高等専門学校, 一般科目, 助教授 (50114012)
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Keywords | JCO臨界事故 / GMサーベイメーター / 教員 / コンクリート屋内避難所 / 空間線量率 / 公衆 / 警察官 / 地域防災計画(原子力災害編) |
Research Abstract |
茨城高専の存在するひたちなか市は、周囲に様々なタイプの原子炉び核燃料の処理施設が存在する。平成8年度には、ひたちなか市より、茨城高専が原子力災害時のコンクリート建物屋内避難所として指定された。同時に市内の小学校、中学校、高等学校や公民館も指定された。我々は、茨城県及びひたちなか市の両地域防災計画書を解読し、原子力災害時本校には実質的には事故の情報が到達しないことを見出した。事故時、避難所の指定の有無に関係無く1,000名の学生と140名の教職員と170名の寮生の安全を守るには、手もとの校正済みのGMサーベイ1台で情報収集するしかない。JCOの臨界事故の前年、1998年12月の国際放射線教育シンポジウム(葉山)の際のハンガリーのToth先生の自国の1984年の教育改革(放射線教育「原子物理」の必修化)1986年のチェルノブイリ原発事故の際の同国の高校の理科教員の活躍の講演が我々の以後の行動の指針となった。 (1)JCOの臨界事故当日、臨界継続中の対応:校正済みのGMサーベイメーターで茨城高専の校舎内外のγ線空間線量率の測定及びJCO社周辺のγ線空間線量率の測定を行い学校と県警本部に報告した。 (2)臨界の終息後の行動:文部省の臨時の研究班に参加し、平成12年2月にJCO社の敷地内の空間線量率の測定を行った。現場は茨城県警と科学技術庁の管理下にあり公開されていない。中立的な立場の地元の教員が立ち入り、簡単な測定機「はかるくん」とGMサーベイメーターで線量を測ることにより、地元で信頼されていない専門家の測定結果を保証することが重要であり、地元教員の存在意義がある。 (3)広報活動(学会発表、論文発表、市民教育):臨界事故時の体験を、学会、ワークショップ等で紹介し、論文としても発表した。茨城県の生涯教育の講座や、青少年のための科学の祭典(2000・茨城)でも紹介し広報に努めた。すべて、地域の一教員にできることである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 松沢孝男,飯岡邦彦,河井義春: "臨界事故当日のJCO社周辺のγ線の空間線量率-情報の無いJCO社の敷地の外の公衆と警備の警察官の放射線防護の為に-"日本原子力学会2000年(第38回)春の年会要旨集. 第38回. 722 (2000)
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[Publications] T.Matsuzawa et al.: "A School Teacher and Policemen Measured the Gamma Dose Rates Around the JCO Tokai Plant with GM Survey Meters for Their Own Safety During the Criticality on September 30,1999."Abstracts,Workshop on The Criticality Accident at Tokai-mura.May,2000,International Conference Center,Hiroshima, Japan.(Japan Health Physics Society). 9-10 (2000)
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[Publications] 松沢孝男: "原子力災害時の地元教員の役割-臨界事故当日の経験から"核災害時における専門化のとりくみ(JCO臨界事故における文部省緊急調査班の活動を中心に)、第2回環境放射能・放射線夏の学校ワークショップ報告書(金沢大学辰口研修センター、2000.7). 10-12 (2000)
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[Publications] K.Komura,....,T.Matsuzawa: "The JCO criticality accident at Tokai-mura, Japan : an overview of the sampling campaign and preliminary results."Journal of Environmental Radioactivity. 50[1-2]. 3-14 (2000)
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[Publications] T.Matsuzawa et al.: "Gamma dose rate in the vicinity of JCO as of approxymately 8:00 pm on September 30,1999."Journal of Environmental Radioactivity. 50[1-2]. 27-36 (2000)
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[Publications] 松澤孝男,飯岡邦彦,河井義春: "臨界状態が続く1999年9月30日20時頃のJCO社周辺のγ線の空間線量率(その1)"茨城工業高等専門学校研究彙報. 第35号. 31-39 (2000)