1999 Fiscal Year Annual Research Report
デジタルカメラ方式によるマリンスノー計測システムの開発
Project/Area Number |
11558065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小池 勲夫 東京大学, 海洋研究所, 教授 (30107453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 哲也 日油技研株式会社, 海洋事業推進室, 研究員
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Keywords | マリンスノー / 大型沈降粒子 / デジタルカメラ / 白色LED / 食物網 / 生元素循環 / 深海 |
Research Abstract |
海洋における大型の沈降性有機物粒子(大きさが0.5mm以上は)マリンスノーと呼ばれ、海洋の表層の有機物を深層に輸送するのに大きな機能を果たしているばかりでなく、深層での食物網における重要な餌の1つとなっている。従ってその現存量およびサイズ分布などのマリンスノーの特性や動態を明らかにすることは、海洋における生元素の循環を考える上で極めて重要である。過去にもビデオやカメラによる計数の試みはいくつか存在するが、これらは膨大なデータ量となるために、その処理の煩雑さのため研究は遅れていた。そこで本研究では最新の技術を応用したマリンスノーの定量的な研究のための計測システムの開発を目的として、本年度は光源部、カメラ部、データ処理部の3つのプロックの設計、組立、機能の検討を行った。カメラ部は市販のデジタルカメラを採用しそれを耐圧ケースに納める方式を採用した。又光源には白色LEDがその明るさ、電池の使用量が優れていることがこの研究で明らかになった。深海で使用する海洋側器での白色LEDの利用は本研究が始めての試みである。データ処理部に関しても最短5秒の時間間隔で画像データが保存可能なデータロガーを開発した。この処理速度によって、水深6000mまで最大240点でのマリンスノーのサイズ分布、数量、形状・色等を高解像度で記録することが出来るようになった。又船上でのデータの転送あるいは撮影条件の設定等は通信回線を用いたパソコンとの相互通信で行えることも確認された。現在これらの部品を耐圧容器に収納し、作動テストを行っているので実海域での検討も来年度の初めには可能である。
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