1999 Fiscal Year Annual Research Report
イオン移動度分析法を用いた大気微量成分測定装置の開発
Project/Area Number |
11558066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
長門 研吉 岡崎国立共同研究機構, 分子科研究所, 助教授 (80237536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯沼 恒一 東北大学, 工学部, 助教授 (40005484)
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Keywords | イオン移動度分析法 / 大気圧イオン化質量分析法 / 大気イオン / イオン-分子反応 |
Research Abstract |
大気を人工的に電離してイオンー分子反応を引き起こすことにより大気中のどのような微量成分がイオン化されるのかを調べるために、ドリフトチューブ型イオン移動度計と四重極型質量分析計を組み合わせたイオン移動度/質量分析システムの開発を行った。本システムでは大気圧中で生成し一定時間ドリフトチューブ内で大気中の微量成分とイオンー分子反応させた正・負イオンの、全イオン移動度スペクトル、質量選択移動度スペクトル、および質量スペクトルの測定が可能である。このイオン移動度/質量分析システムを用いて、生成後30-500msの正・負イオン種のサーベイを行った。正イオンでは始めにNH_4^+(H_20)_nが主要なイオンとして現れるが、時間と共により陽子親和力のより大きなピリジンやアミン類のイオンが生成していく過程が明らかになった。生成が確認されたイオン種は、ピリジン、メチルピリジン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、イソブチルアミン、アミノヘキサン、キノリン、メチルキノリン、などである。また組成が未同定のイオン(質量数135、149、152、279amuなど)も検出された。負イオンでは亜硝酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸・硝酸のイオンが検出された。得られた負イオン移動度スペクトルの分離は比較的よく、イオン移動度分析法により亜硝酸、硝酸のほかにギ酸、酢酸、シュウ酸などの有機酸も測定可能であることが示された。一方正イオン移動度スペクトルはイオンピークが重なり合い複雑であるが、これをシミュレートするための解析プログラムを新たに開発し評価中である。
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