1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11558068
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菊池 英明 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (60006111)
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Keywords | ダイオキシン / T細胞 / アポトーシス / カスパーゼ3 |
Research Abstract |
ダイオキシン類化合物の免疫毒性を試験管内で評価する方法として、我々のグループはアポトーシスを起こす細胞株を見い出し、報告してきた。そこで、この細胞株を用いてアポトーシスを指標とした、ダイオキシン類化合物のヒトに対する免疫毒性を評価する簡便にして定量的なシステムを開発することを目指して以下の実験を行った。 白血病T細胞を用いた免疫毒性検出系の、大量サンプル処理システムに適したアポトーシス検出法を見い出すことを試みた。MTT(コハク酸-テトラゾリウム脱水素酵素)法、LDH(乳酸脱水素酵素)法、DNAフラグメント検出法、ヌクレオソーム検出法などを検討したが、検出感度の点からより高い感度の検出法が実用化のためには必要であると思われた。そこで、白血病T細胞のアポトーシスの初期過程で、中心的な役割を果たすカスパーゼ3の活性化を検討した。白血病T細胞をTCDDで処理した後、細胞を凍結融解してカスパーゼ3の特異的基質DEVE-AMCを添加し、37℃でインキュベートして遊離してくるAMCを蛍光分光光度計で測定した。遊離AMCの蛍光強度の上昇の初期速度から、アポトーシスの程度を計測し、顕微鏡的な細胞死との相関を調べると、良く一致する傾向が観察された。さらに、カスパーゼ3の特異的阻害物質であるDEVE-CHOを加えることによって、カスパーゼ3活性化とアポトーシスを阻害する傾向にあることが確認されたので、免疫T細胞のTCDDによるアポトーシスを、カスパーゼ3の活性化を測定することで観察することができることがわかった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Hossain A. et al.: "The Ah receptor is not involved in the TCDD-mediated apoptosis in human leukemic T-cell lines"J. Biol. Chem.. 273. 19853-19858 (1998)
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[Publications] Kikuchi H. et al.: "Induction of cytochrome P-450 1A1 by omeprazole in human HepG2 cells is protein tyrosine kinase-dependent, and is not inhibited by α-naphthoflavone"Arch. Biochem. Biophys.. 358. 351-358 (1998)
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[Publications] Kikuchi H.: "Signal transduction-mediated CYP1A1 induction by omeprazole in human HepG2 cells"Experimental and Toxicologic Pathology,. 51. 342-346 (1999)
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[Publications] Endo Y. et al.: "Enhancement by galactosamine of lipopolysaccharide (LPS)-induced tumour mecrosis fantor production and lethality: its suppression by LPS pretreatment"Br.J. Pharmacol.. 128. 5-12 (1999)
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[Publications] Hossain A.: "Mechanism of TCDD-mediated apoptosis in human T-lymphoblastic cell lines"Organohalogen Compounds,. 42. 417-420 (1999)
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[Publications] 菊池英明: "ダイオキシンの生体毒性の分子機構、"Environ.Mutagen Res.,. 21. 179-188 (1999)
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[Publications] 野村大成、森本兼曩、池永満生 (編): "『環境と健康II』ダイオキシンによる薬物代謝酵素の誘導"へるす出版、東京. 310 (1999)