1999 Fiscal Year Annual Research Report
瀬戸内海の殺二枚貝活性を示す赤潮プランクトンの毒性物質および毒性発現機構の解明
Project/Area Number |
11558077
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平賀 良知 広島大学, 理学部, 助手 (10238347)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大方 勝男 広島大学, 理学部, 教授 (50033882)
|
Keywords | 赤潮プランクトン / 渦鞭毛藻 / ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマ / 培養 / 殺二枚貝活性 / 魚毒活性 / 脂肪酸 / ステロール |
Research Abstract |
広島湾で大量発生した赤潮プランクトン,ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマは,二枚貝を生物群特異的に斃死させる。このプランクトンは,Iwasaki II培地およびESM改変培地で大量培養できることを見出した。回収したプランクトン藻体は,クロロホルム-メタノール(1:1,v/v)で抽出することによって,毒性物質が,クロロホルム-メタノール抽出物に移行することがわかった。この抽出物を水に懸濁後,酢酸エチル,1-ブタノールで順次抽出することによって,酢酸エチル可溶性画分,1-ブタノール可溶性画分,水可溶性画分に分画した。カキを用いた活性試験において,酢酸エチル可溶性画分および1-ブタノール可溶性画分に致死活性物質が含まれていた。 酢酸エチル可溶性画分は,シリカゲルカラムクロマトを行うことによって,脂肪酸画分,トリグリセライド画分,ステロイド画分,クロロフィル画分,カロテノイド画分,脂肪酸配糖体画分および回収画分に分画した。トリグリセライドの脂肪酸組成をガスクロマトグラフ質量分析計を用いて分析した。その結果,パルミチル酸(C_<16:0>:39.8%)およびオレイン酸(C_<16:1>:18.0%)が主成分であった。さらに,微量の高度不飽和脂肪酸(C_<18:4>:2.9%:C_<20:4>:1.3%:C_<20:5>:0.7%:C_<22:6>:2.9%)も含有していた。さらにトリグリセライドには,カキ致死活性は認められないが,50μg/mlでヒメダカに対する魚毒活性を示した。ステロイド画分には,dinosterol(C_<30>H_<52>O)を主成分として含んでいた。現在,酢酸エチル可溶性画分のカロテノイド画分および脂肪酸配糖体画分ならびに1-ブタノール可溶性画分の分画・精製を行なっている。
|
-
[Publications] H. Nishitani et al.: "Asymmetric Synthesis of Rhopaloic Acid A Analogues and Their Biological Propaties"Heterocycles. 50(1). 35-38 (1999)
-
[Publications] M. Tokumasu et al: "Synthesis of rac-Hippospongic acid A and Revision of Structural Assignment"J. Chem. Soc., Perkin Trans. I. 1999(4). 489-496 (1999)
-
[Publications] Y. Hiraga et al: "Ion-transport Activity of Phenylpentanoic Acids Occurring in the Roots of Athyrium yokoscense"Biosci. Biotechnol. Biochem.. 63(5). 958-960 (1999)
-
[Publications] R. Takagi et al: "The Julia-Colonna Type Asymmetric Epoxidation Reaction by Soluble Oligo-Oligo-L-leucine Containing an α-Aminobutilic Acid Residue: Importance of Helical Structure of the Catalyst in the Asymmetric Induction"Chem. Lett.. (in press). (2000)