2000 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外マトリックスへのターゲティング技術を利用した細胞外環境設計とその応用
Project/Area Number |
11558081
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
関口 清俊 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (50187845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 周英 (財)化学及血清療法研究所, 室長(研究職)
西田 輝夫 山口大学, 医学部, 教授 (80036475)
李 紹良 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (40252720)
顧 建国 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (40260369)
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Keywords | 細胞外マトリックス / 基底膜 / マトリックス工学 / 増殖因子 / HGF / 創傷治癒 |
Research Abstract |
基底膜が臓器実質細胞の直接の細胞外環境であることに着目し、様々な生理活性蛋白質(特に細胞増殖因子や分化誘導因子)を基底膜に選択的に不溶化させる新規技術の開発を継続して行った。具体的には、神経-筋シナプスの基底膜に局在するアグリンがラミニンに強く結合することを利用し、アグリンのラミニン結合ドメインを利用した生理活性蛋白質の基底膜へのターゲティング技術を確立した。本年度得られた主な研究成果は以下の通りである。 (1)アグリンのN末端ドメイン(AG)とgreen fluorescent protein(GFP)との融合蛋白質発現ベクターを構築し、ヒトがん細胞株A431に導入して、AG-GFPキメラ蛋白質を発現させた。抗GFP抗体を用いたイムノブロットにより、細胞培養上清にキメラ蛋白質の発現を確認した。また、この融合蛋白質が基底膜様ゲルであるMatrigelに不溶化されることを確認した。(2)AG-GFPキメラたんぱく質と各ラミニンアイソフォームとの結合親和性を調べた結果、キメラ蛋白質はMatrigelを構成するラミニン-1以外のラミニンアイソフォームとも結合することがわかった。以上の結果は、アグリンのN末端ドメインが基底膜へのターゲティングに利用できることを示唆している。(3)上記のAG-GFPキメラたんぱく質を基底膜へのターゲティングヴィークルとして利用し、これにさらに肝細胞増殖因子HGFおよびアコニストNK1を挿入したキメラ蛋白質AG-HGF-GFPおよびAG-NK1-GFPをA431細胞に発現させ、キメラ蛋白質の生理活性をHGFの細胞分散活性を指標として測定した。その結果、AG-HGF-GFPのみが強い細胞分散活性を有していることが判明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kikkawa,Y et al.: "Integrin binding specificity of laminin-10/11 : laminin-10/11 are recognized by a3b1, a6b1, and a6b4 integrins."J.Cell Sci.. 113. 869-876 (2000)
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[Publications] Naito,M. et al.: "The domains of human fibronectin mediating the binding of alpha antigen the most immunopotent antigen of mycobacteria that induces protective immunity against mycobacterial infection."Biochem.J.. 348. 725-731 (2000)
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[Publications] Satoi,S. et al.: "Increased extra domain A-containing fibronectin and hepatic dysfunction during septic response."Shock. 13. 492-496 (2000)
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[Publications] Fleischmajor,R. et al.: "Differential expression of laminin a chains during proliferative and differentiation stages of skin morphogenesis."Matrix Biol.. 19. 637-647 (2000)
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[Publications] Fujiwara,H. et al.: "Purification and characterization of human laminin-8: laminin-8 stimulates cell adhesion and migration through a3b1 and a6b1 integrins."J.Biol.Chem.. (in press). (2001)
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[Publications] Matsui,Y. et al.: "Alternative splicing of fibronectin transcripts in osteochondrogenic tumors."Anticancer Res.. (in press). (2001)