2000 Fiscal Year Annual Research Report
MRSAに対するβ-ラクタム剤-感受性誘導薬の創製と新規の耐性制禦系の解明
Project/Area Number |
11558085
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
樋口 富彦 徳島大学, 薬学部, 教授 (50035557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 陽一 アルプス薬品工業(株), 開発部第2室, 係長(研究職)
柴田 洋文 徳島大学, 薬学部, 助手 (00093865)
新垣 尚捷 徳島大学, 薬学部, 助教授 (60151148)
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Keywords | MRSA / β-ラクタム剤-感受性誘導薬 / フラボン / mecA mRNA / PBP2' / Differential Hybridization / 転写制禦系 / 耐性遺伝子 |
Research Abstract |
申請者らは,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対する"β-ラクタム剤-感受性誘導薬"の作用機作を明らかにし新規の耐性メカニズムを遺伝子レベルで解明するとともに,MRSA感染症に対する有効な治療薬の開発研究を行うことを目的としている. 本研究では,まず,フラボン存在下に培養した高度耐性MRSAにおけるmecA発現量とPBP2'発現量の定量的関係の解明を試みた.フラボン存在下に培養した高度耐性MRSAにおけるmecA発現量とPBP2'発現量とについて,それぞれ,Northern Hybridization法を用いたmecAの転写物量,ならびにPBP2'断片ペプチドに対する抗体を用いたWestern BlottingによるPBP2'発現量の測定の結果,mecAのmRNAおよびPBP2'ともに発現量の低下が認められず,β-ラクタム剤-感受性誘導活性をもたらすフラボンの作用機構がmecAの転写制禦系とは無関係であること,そしてmecAとは異なるMRSAの高度耐性化に寄与する耐性遺伝子の関与が強く示唆された. つぎに,β-ラクタム剤-感受性化の程度が大きく異なるMRSA間で発現が誘導あるいは抑制される遺伝子の構造の決定を試みた.MRSA臨床分離株#5-10のゲノムDNAライブラリー(約2000個)を作製し,私たちが開発した新規のスクリーニング系を用いてDifferential Hybridization法により,フラボンの存在により通常と発現量の変化するクローンの検出を試みた.その結果,明らかに発現量に変化のある26個のクローンを確認し,そのうち6個のクローンについてシークエンスおよびホモロジー検索を行った.さらに,現在,残りの20クローンについて,解析を進めており,フラボンによるβ-ラクタム剤-感受性誘導活性の原因遺伝子が解明できるものと期待される.
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[Publications] Y.Sato: "Phytochemical Flavones Isolated from Scutellaria barbata and Antibacterial Activity against Methicillin-resistant Staphylococcus aureus"Journal of Ethnopharmacology. 72・3. 483-488 (2000)
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[Publications] T.Himeda: "Synchronized Transcriptional Gene Expression of H^+-ATP synthase Subunits in Different Tissues of Fischer 344 Rats of Different Ages"European Journal of Biochemistry. 267・23. 6938-6942 (2000)
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[Publications] N.Arakaki: "Stoichiometry of Subunit e in Rat Liver Mitochondrial H^+-ATP Synthase and Membrane Topology of Its Putative Ca^<2+>-dependent Regulatory Region"Biochimica et Biophysica Acta. (in press). (2001)
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[Publications] 姫田敏樹: "分子細胞生物学基礎実験法 改定第2版(堀尾武一 監修,樋口富彦 他編)"株式会社南江堂(印刷中). (2001)