2000 Fiscal Year Annual Research Report
生物発光による遺伝子発現のリアルタイム測定法の開発
Project/Area Number |
11558089
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
近藤 孝男 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10124223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 英士 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (90217878)
石浦 正寛 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 教授 (20132730)
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Keywords | シアノバクテリア / 生物発光 / リアルタイムモニター / 鉄道虫 / ルシフェラーゼ / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
遺伝子発現の解析は生物学のあらゆる局面で不可欠であるが、その発現の高精度の解析は容易ではない。遺伝子発現のリアルタイムモニターが確実に応用できれるようになれば、これまでとは次元の異なった展望が期待できる。我々はこれまでシアノバクテリアでの遺伝子発現のリアルタイムモニターの経験を利用して、この方法をより幅広い生命現象に応用することを目指し、汎用性のある方法を開発するため、以下の問題を検討した。 1)細胞内でのレポーター遺伝子の発現が発光として得られる過程で多くの影響をうける。この影響を相殺するため、注目すべき遺伝子と基準となる遺伝子に発光波長の異なるルシフェラーゼを同時に組み込み、その発光量の比をとることで、生細胞内での多くの影響を取り除くことを企画した。このため、基質や発光のメカニズムは共通である鉄道虫の2つのルシフェラーゼ遺伝子を利用することにし、いくつかのプロモーターとの融合遺伝子を作製し、シアノバクテリアの遺伝子移入しつつある。 2)GFPの利用。より感度の高い系としてGFPの導入の計画し、その準備を進めた。これは発現レベルの異なった遺伝子の解析に応用できることが期待される。 3)自動発光測定装置の開発。自動測定はリアルタイムモニターには不可欠である。そこで既存の発光測定装置を改良し、同一の細胞から異なった波長の光を分別して測定できるように改良した。さらに蛍光測定のため励起光を照射できる装置を開発した。 この試みが成功すれば、細胞内での発光量に影響を与える因子を除くことが出来、リアルタイムモニターの確実性が飛躍的に高まると期待される。
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[Publications] Nishiwaki T: "Nucleotide binding and autophosphorylation of the clock protein KaiC as a circadian timing process of cyanobacteria."Proc.Natl.Acad.Sci.. 97. 495-499 (2000)
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[Publications] Iwasaki H: "A KaiC-interacting sensory histidine kinase, SasA, necessary to sustain robust circadian oscillation in cyanobacteria."Cell. 101. 223-233 (2000)
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[Publications] Schmitz,O: "CikA, a bacteriophytochrome that resets the cyanobacterial circadian clock."Science. 289. 765-768 (2000)
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[Publications] Kondo T: "Circadian clock of cyanobacteria."BioEssays. 22. 10-15 (2000)
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[Publications] Iwasaki H: "The current state and problems of circadian clock studies in cyanobacteria."Plant Cell Physiol.. 41. 1013-1020 (2000)