2001 Fiscal Year Annual Research Report
ES細胞の無血清無フィーダー培養系の確立とそれによる純系マウス由来ES細胞の樹立
Project/Area Number |
11558099
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Research Institution | RIKEN (THE INSTITUTE OF PHYSICAL AND CHEMICAL RESERCH) |
Principal Investigator |
丹羽 仁史 理化学研究所, 多能性幹細胞研究チーム, チームリーダー(研究職) (80253730)
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Keywords | ES細胞 / 血清 / フィーダー細胞 / 増殖 |
Research Abstract |
平成13年度に実施した研究は以下の4つである。 (1)血清からのKSRSの精製 血清から無血清無フィーダー状態でのES細胞の未分化コロニー形成支持能を指標に分画を進め、最終的に逆相クロマトグラフィーで単一画分に活性を認めるに至った。現在、スケールアップの上、活性を担う蛋白の同定を進めている。 (2)無血清無フィーダー培養系のES細胞維持能の検討 (1)で得られた粗画分を用いて、129系統由来EB3 ES細胞を無血清無フィーダー状態で約1週間培養し、その後ブラストシストインジェクションを行った。この結果キメラマウスが得られることは確認され、現在germline transmission能を検討している。 (3)無血清培養系のES細胞樹立能の検討 (1)で得られた粗画分を用いて、C57BL6系統由来胚盤胞をフィーダー細胞存在下に無血清状態で培養し、ES細胞の樹立を試みたところ、約20%の胚盤胞からES細胞株を得ることに成功した。現在、これらの細胞の分化能を検討するとともに、培養皿をコートする基質を最適化して無フィーダー化することを試みている。 (4)ES細胞の増殖を制御するシグナル伝達機構の解析 TGF-βファミリーの因子が及ぼす影響を検討するために、抑制Smad蛋白をコードするSmad6とSmad7を発現ベクターに組み込んで、ES細胞に導入して過剰発現させた。この結果、Smad7の発現はES細胞の増殖を顕著に抑制した。この効果は、細胞のpluripotencyには影響を与えず、またSmad2の共発現によって解除されることから、ES細胞における生理的な役割を反映したものと考えられ、現在さらに詳細な検討を進めている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Sato, H. et al.: "Impaired fertility in female mice lacking urinary trypsin inhibitor"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 281. 1154-1160 (2001)
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[Publications] Higaki, K. et al.: "Isolation of NPC1-deficient Chinese hamster ovary cell mutants by gene trap autogenesis"J. Biochem.. 129. 875-880 (2001)
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[Publications] Niwa, H.: "Molecular mechanism to maintain stem cell renewal of ES cells"Cell Struct. Funct.. 26. 137-148 (2001)
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[Publications] Yamane, T. et al.: "Wnt signaling regulateshemopoiesis through stromal cells"J. Immunol.. 167. 765-772 (2001)
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[Publications] Hashimoto, H. et al.: "Allered psychomotor behaviors in mice lacking pituitary adenylate cyclase-activating polypeptide (PACAP)"Proc Natl Acad Sci U S A.. 98. 13355-13360 (2001)
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[Publications] Niwa, H. et al.: "Phenotypic complementation establishes requirements for specific POU domain and aeneric transactivation function of Oct-3/4 in embryonic stem cells"Mol. Cell. Biol.. 22. 1526-1536 (2002)