1999 Fiscal Year Annual Research Report
微小心筋虚血発症メカニズムの解析:微小変形と虚血代謝(NADH)動態イメージング
Project/Area Number |
11558115
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲本 博 川崎医科大学, 医学部, 助手 (10299183)
矢田 豊隆 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00210279)
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70029114)
山森 伸二 日本光電工業(株), R&Dセンター, 課長
豊田 英嗣 川崎医科大学, 医学部, 助手 (30248215)
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Keywords | マクロストレイン / NADH / 虚血 / 冠微小循環 / 高速度CCD生体顕微鏡 |
Research Abstract |
心筋内で最小細動脈が支配する血管床の長径は数百μmであり、このサンプルサイズに至ると冠血流分布の不均一性が顕在化してくる。しかし冠血流のミクロは不均一性にかかわると考えられる心筋微小変形の特性については不明である。本研究では高速度CCD生体顕微鏡と微小光マーカを用いて拍動心微小領域心筋のミクロ(数百μm)とマクロ(数mm)の変形特性を直接可視化し、検討した。本年度はマクロストレイン計測は麻酔開胸犬を対象に、拍動中の心臓に歪み計測用の光マーカをマイクロピペットを用いて植え込み、高速度CCD生体顕微鏡システム(毎秒200フレーム)で観察視野1.0×0.8mm^2内(倍率200倍)のマーカの動きを観察した。そして、実験後にコンピュータ上で画像処理してマーカ座標点の変位を計測・解析できるシステムを試作した。また、これを1)通常の心房に始まる刺激伝導時、2)心室ペーシング(不整脈のモデルで刺激伝導が逆転する場合)、3)交感神経β刺激剤投与下(心収縮力が増強する場合)で、各歪み特性が如何に変化していくかを検討した。 平均的収縮期歪み波形はミクロとマクロ(各々長径 750±102μm、2.2±0.4mm)ともに短縮を示した。マクロではSD=0.018と均一性が高かったのに対して、ミクロでは部分的に短縮と伸展を示す箇所が混在しSD=0.027と不均一性が高かった(ANOVA、p<0.0003)。心筋収縮はmmオーダのマクロの変形では均一であるが、数百μmオーダのミクロの変形では不均一性が顕在化した。上記の方法とあわせてラット摘出拍動心の代謝イメージをミトコンドリア内NADHの特異的蛍光特性(460nm)を用いて計測・解析した。そして、心筋歪みの不均一性を生じるサイズと心筋代謝機能分布の不均一性が生じるサイズが同程度であることがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Eiji Toyota: "Heterogeneity of myocardial micro-deformation at the size minimum control unit of coronary flow in beating canine heart"Circulation. 100(Suppl.). I-556 (1999)
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[Publications] 小笠原 康夫: "虚血心筋代謝機能のイメージング"日本機械学会抄録集. 597-598 (1999)
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[Publications] 豊田 英嗣: "拍動心微小心筋メカニクスの解明-微小心筋歪みと最小冠血流調節ユニットとの関連性"医用電子と生体工学. 37(Suppl.). 93 (1999)
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[Publications] 梶田 達也: "冠微小循環時の局所血流と心筋代謝分布の空間的不均一性と両者の相関に関する解析"第22回日本バイオレオロジー学会年会抄録集. 43 (1999)
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[Publications] 小笠原 康夫: "NADH蛍光法と分子トレーサ法を用いた局所心筋代謝と血流分布の空間的比較検討"第22回日本エム・イー学会中国四国支部大会講演抄録集. 42 (1999)
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[Publications] 豊田 英嗣: "最小冠血流調節ユニットサイズの心筋変形は不均一である"Japanese Circulation Journal. (in press). (2000)