1999 Fiscal Year Annual Research Report
有機基で可溶化されたシリコンナノクラスターを前駆体としたワイドギャップ半導体薄膜
Project/Area Number |
11559003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 明 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (40182901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北條 房郎 日立製作所, 日立研究所・材料第一研究部, 研究員(研究職)
三輪 崇夫 日立製作所, 日立研究所・材料第一研究部, 主任研究員(研究職)
藤塚 守 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (40282040)
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Keywords | 有機シリコンナノクラスター / 前駆体 / 塗布型シリコン半導体 |
Research Abstract |
現在,シリコン系半導体薄膜形成においては,プラズマCVD法に代表される真空下でのガスの気相反応を用いた手法が主流であるが,近年,液晶駆動用半導体素子の大面積化や太陽電池におけるプロセスコスト低減の要求から,新規なプロセスの探索が求められている。本研究では,ナノメーターサイズの3次元状シリコン骨格が有機置換基で修飾された構造を有するシリコンポリマーの一種である有機シリコンナノクラスターのサイズ・構造を制御するための合成法及び物性を明らかにし,さらに,この有機・無機の境界領域に属する新規材料を前駆体とし,塗布型シリコン系半導体薄膜形成の新規プロセスを発展させるを目的とする。本年度は,(1)高純度有機シリコンクラスターの合成条件の最適化,(2)加熱過程でのシリコン再配列過程の解明,(3)水素プラズマによる水素添加に関する実験を行った。(1)に関しては,真空ライン系での合成試薬の高純度化と脱水・脱酸素を厳密に行った合成反応,さらに生成物のカラム生成から,クラスター表面酸化による酸素原子の混入がSi元素比で1%以下の高純度前駆体の合成に成功した。(2)に関しては,種々ガス雰囲気下での焼成を行い,ラマンスペクトルの測定等からa-Si構造の形成を確認した。(3)に関しては,水素プラズマ照射によって,真空下では400℃以上必要であった有機置換基の脱離温度を250℃まで下げることが可能であることを明らかにした。
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