2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11559007
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
郷 通子 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70037290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤 博幸 京都大学, 化学研究所バイオインフォマティクス・センター, 客員教授 (70192656)
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Keywords | モジュール / タンパク質機能 / 3Dキーノート / イントロン / ゲノム情報 |
Research Abstract |
ゲノム情報が解読されたというものの、ヒトをはじめ、いろいろな生物において、ORFの約50%は機能が不明である。これらのORFの機能予測ができれば、実験的な手法で検証するための有力な手がかりとなることから、ORFの機能予測法の開発は生命情報学に課せられた挑戦的な課題である。機能がまったく未知のORFに対して機能に関する手がかりを得るため、3Dキーノート法と名づけた新しい方法を開発した。モジュールはタンパク質の球状ドメイン内の立体構造単位であるが、タンパク質の機能部位は1個から数個のモジュールによって担われていることがわかっている。立体構造が既知のタンパク質をモジュールに分解し、それらのモジュールを立体構造と機能の類似性により分類した。さらに、モジュールの立体構造と機能の類似性をアミノ酸配列パターンに展開することを試みた。すでに、リン酸基結合モジュールの3Dキーノートを構築し、らん藻に存在する機能未知の遺伝子が、形質転換の初期遺伝子であることを予測し、さらに、ノックアウトらん藻を作成して、形質転換能が失われたことを実証している。モジュールの立体構造と機能の類似性を検出する手法を自動化することにより、約200種類の3Dキーノートを作成、約85%の予測精度をもっことがわかった。らん藻の全ゲノムに適用した結果、これまで、未知とされているORFの13%について、機能についての手がかりを与えることがわかった。機能未知のORFの機能を推定するための一つの道が開かれた。らん藻以外の生物についても、全ゲノムのORFを対象にして、モジュール3Dキーノートによる機能予測を実行することができた。予測を検証するため、各種の生物において、それぞれ共同研究を発展させつつある。ゲノム情報の持つ意味の真の解読にひとつの道を開いたと考えている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yamaguchi, A. et al.: "Enlarged FAMSBASE : 3D protein structure models of genome sequences for 41 species"Nucleic Acids Research. 31・1. 463-468 (2003)
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[Publications] Toh, H., Horimoto, K.: "Inference of a Genetic Network by a Combined Approach of Cluster Analysis and Graphical Gaussian Modeling"Bioinformatics. 18・2. 287-297 (2002)
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[Publications] Daiyasu, H., et al.: "An analysis of membrane stereochemistry with homology modeling of sn-glycerol-1-phosphate dehydrogenase"Protein Engineering. 15・12. 987-995 (2002)
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[Publications] 由良 敬, 郷 通子: "モジュールに基づく機能予測-3Dキーノート"蛋白質核酸酵素. 47・8. 1090-1096 (2002)
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[Publications] 郷 通子: "遺伝子構造の進化とプロテオーム解析"学術月報. 55・15. 1141-1147 (2002)
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[Publications] 郷 通子(分担執筆): "「生命の起源と進化の物理学」ニューバイオフィジックス(シリーズ2)"共立出版. 231 (2003)