1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11559011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
能町 正治 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (90208299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩見 行晃 大阪大学, 歯学部, 助手 (90303982)
恵比寿 繁之 大阪大学, 歯学部, 教授 (50116000)
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Keywords | フッ素分布 / マイクロビーム |
Research Abstract |
日本原子力研究所、高崎研のシングルエンド加速器を用い、フッ素分布測定法の開発を行なった。1.7MeVに加速した陽子をマイクロビームラインで1μmに収束し、歯に照射した。 ビームは静電場により曲げられ、縦横0μm程度の領域を走査し、元素分布の測定を行なった。照射される歯は、4μmのアラミド膜を介し、大気中に置かれた。歯質中のカルシウム濃度は真空槽中に置かれたSi(Li)検出器でカルシウムからのK-X線強度を測定することにより、フッ素濃度は大気中に置かれた大型NaI(T1)ガンマ線検出器により、19F(p,α)160反応からのガンマ線を測定することにより求めた。フッ素濃度は、組成が歯とほぼ同じで、フッ素濃度が判っているフロロアパタイトを歯と同じように照射することにより較正した。ビーム強度は、30秒に一回、ビームを横に大きくずらし、銅箔に照射し、銅のK-X線強度を測定することにより求めた。ビーム強度の絶対値は、ファラデーカップを用いビーム電流を積分しながら、銅のK-X線強度を測定することにより較正した。 今年度の測定の結果、歯質と充填物との境界の6μmほどの狭い領域にフッ素濃度の高い領域があることが測定された。これは、これまで行なわれてきた10μm程度の分解能での測定では見ることのできなかった構造である。今年度の実験により、見たい領域を選ぶ手順、濃度の絶対値校正方法の確立がなされたので、今後さらに改良を加えながら、実際の歯の測定を行なっていく事が可能となった。
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