2001 Fiscal Year Annual Research Report
生涯個別学習を可能にするデータ蓄積型CAIシステム
Project/Area Number |
11559013
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
寺澤 孝文 岡山大学, 教育学部, 助教授 (90272145)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島内 行夫 ベネッセ教育研究所, 主席研究員
青木 多寿子 岡山大学, 教育学部, 助教授 (10212367)
太田 信夫 筑波大学, 心理学系, 教授 (80032168)
|
Keywords | 絶対評価 / 英語教育 / 教育工学 / 第二言語獲得 / 長期記憶 / 複雑性 / 潜在記憶 / 長期学習実験 |
Research Abstract |
1.客観テストと自己評定成績の高い相関の発見 これまで,学習者の各英単語に対する学習到達度の自己評定を最も基本的なデータとして各種分析を行い,自己評定成績の上昇率が学習時間と相関すること,自己評定成績の上昇の程度に大きな個人差があることなど,様々な事実が明らかになってきた.本年度は,この自己評定値データが,別途収集された客観テストの成績と相関するか否かを中心に検討した.その結果,両者にかなり高い相関が認められることが明らかとなった.客観テストのデータが少ないこともあり,今後データの蓄積を急いでいる. 2.インターネットを経由した学習データ収集と到達度情報のフィードバックシステムの開発 本年度最も時間を費やしたのがこのシステムの開発である.4月より利用できる状況になった.当初の予定を越えて開発に時間がかかった理由は,インターネットにより個人情報の漏洩の危険性が明らかになったためである.一切の個人情報をインターネットに流さないデータベースシステムを構築した(現在運用実験中).データの流れは,学習者の各種反応データが任意の端末からサーバ(大学)へ送信される.サーバはその個人の学習データを継続的に記録・分析し,学習到達度と予測を個人ごとに描き出す.同様に複数の学習者のデータから一般的な予測関数も描き出し、両データを別途Webサーバのホームページにアップし,そのURLをメールとして学習者へ送信する.学習者は受け取ったメールから,自分のURLを開き,自分の到達度データをいつでも参照できる.このシステムの完成により,任意の学習者のデータ収集とフィードバックを自動化することが可能になる. 3.英単語データベースの作成 全国の15国立大学の大学1年生を対象に英単語の調査を実施した.各大学の協力教官に授業時間に調査用紙を配布してもらい,1,000名(年確な人数は未確定)をこえる学生に,約100英単語についての,熟知度,日本語訳の確認をそれぞれ行ってもらった.現在,4月から実施予定の実験に向けて,新たな単語の抽出浩を検討中である.
|
-
[Publications] 吉田哲也, 寺澤孝文, 太田信夫: "半年間の単語学習における客観テストの成績の個人差"日本心理学会第65回大会発表論文集. 775 (2001)
-
[Publications] 寺澤孝文, 吉田哲也, 太田信夫: "英単語一語の学習のための半年間で費やす時間 -客観的絶対評価に向けた情報の収集-"日本心理学会第65回大会発表論文集. 776 (2001)
-
[Publications] 吉田哲也, 寺澤孝文, 太田信夫, 杉山桂子: "半年間の英単語学習で単語テストの成績は上昇するか?"日本教育心理学会第25回総会発表論文集. 596 (2001)
-
[Publications] 寺澤孝文, 吉田哲也, 太田信: "1000語の英単語をマスターするのに何ヶ月必要か -6ヵ月までの学習データに基づく予測-"日本教育心理学会第25回総会発表論文集. 595 (2001)
-
[Publications] 寺澤孝文, 太田信夫, 吉田哲也, 岩井木綿子, 小山 茂: "客観的絶対評価の実現にむけて -英単語学習の到達度に描き出されるマイクロステップ-"日本教育工学第17回大会講演論文集. 399-400 (2001)
-
[Publications] 吉田哲也, 寺澤孝文, 太田信夫, 杉山桂子: "英単語学習における客観テストの成績と自己評定の関係"日本教育工学会第17回大会講演論文集. 401-402 (2001)
-
[Publications] 吉澤孝文: "「おもしろ記憶のラボラトリ」,第5章,記憶と意識"森 敏昭(編),北大路書房. (2001)