2000 Fiscal Year Annual Research Report
同位体ガスレーザ発振を用いた高感度・高安定同位体ガス濃度比測定装置
Project/Area Number |
11559018
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
松島 朋史 奈良工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (50165817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末田 正 摂南大学, 工学部, (1999) (20029408)
川那辺 純一 (株)アロカ, 研究所, 課長代理
張 吉夫 奈良工業高等専門学校, 応用光電研究室, 顧問
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Keywords | 同位体ガス濃度比測定 / 同位体炭酸ガスレーザ / ガス吸収セル / ^<12>CO_2ガス / ^<13>CO_2ガス / ^<12>CO_2ガスレーザ / ^<13>CO_2ガスレーザ |
Research Abstract |
本研究は、微量な同位体ガス濃度比を測定しようとする試料に含まれる同位体原子または分子を個別に含むレーザ媒質よりなる複数台のレーザを用い、同位体によって吸収スペクトルが異なることより、試料中に含まれる微量な同位体ガス濃度比の測定が可能な同位体ガス濃度比測定装置を提案し、動作解析を行った。 同位体濃度比測定装置の構成を示す。^<12>CO_2レーザ及び^<13>CO_2レーザの2台のレーザを同時発振させ、それぞれの共振器内に試料セルを挿入し、それらの試料セルを切り替え放電励起を行い、2台のレーザ出力を同期検波し、それらの出力比から同位体濃度比を測定するものである。 実験構成をに示す。^<12>CO_2及び^<13>CO_2レーザ共振器内に試料セルを挿入し、試料セルを30Hzの矩形波でパルス励起を行い、レーザ出力をパイロ検出器と位相検波器を用いて同期検波して検出感度を測定した。試料セルの構造を示したもので、セルは長さ25cm、内径12mmのパイレックス管を用い、中心と両端に電極が取り付けられ、電極間に水冷を施した構造になっている。 微量ガス試料として、通常の大気圧空気を採集して用いた。通常大気中の^<13>CO_2濃度は3.5ppmである。^<13>13CO_2レーザをP18、P20、P22(11μm帯)R18、R20、R22(10.75μm帯)で発振させた。試料セル内空気圧を変えたときの同期出力検波出力変化はいずれの発振線においても測定圧力範囲内で検波出力がセル内圧力空気圧に比例した変化を示した。 これより、^<13>CO_2の呼吸線を測定しているものと推定できる。検出可能な最低空気圧は使用したセルで1Torr、また励起可能な最大圧力は50Torr程度である。これより確保可能なS/Nを[S/N=放電可能セル内圧力/検出可能最小セル内圧力]とすればS/N=50/1=50が確保されたことになる。したがって微量ガス検出限界は3.5ppm/50=70ppbとなる。
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