2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610021
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
茂木 秀淳 信州大学, 教育学部, 教授 (30157838)
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Keywords | Moksadharma / Epic / early Samkhya / dharma / moksa / metre |
Research Abstract |
研究2年目にあたる本年は、研究計画にそって以下の基礎的作業を行った。 1.Moksadharrna章の解読作業 基礎的作業としての解読は、昨年度に引続いて行い、第253章から第270章まで粗い訳を施した。この部分は、哲学的教説よりもahimsa(不殺生)をめぐる説話的要素の強い章が続いているが、内容の理解はそれほど容易ではない。本年度から異本としてKumbhakonam版も参照しつつ、解読及び活字化を行うことにした。三種のテキストを参照し、テキスト相互の異同を比較することによって、テキスト伝承過程の複雑さがより明確になった。動詞の用法については、昨年同様、一つ一つの用例に注意を払っているが、語形、語根の頻度によって、各章を特徴づけていくのには非常な困難を感じている。どのような点に焦点をあてれば、各章の特徴を浮かび上がらせることができるか、昨年同様暗中模索の状態が続いている。 解読の継続と同時に、本年度は、これまで読み終えた章の理解を確実にするため、翻訳を活字化しておくことに多くの時間を用い、第237章まで活字化することができた。 2.関係資料の収集、情報収集 文献については、本年度はジャイナ教の基本的資料を収集することを主眼とし、関係書店の好意的努力のおかげで、近年絶版の多いジャイナ教の基本的資料の多くを収集することができた。 Mahabharataの重要な刊本であるカルカッタ版の入手に務めたが、入手できなかった。将来的には、カルカッタ版も参照しつつ解読を進めたいと考えているので、来年度も入手に努力したい。それとともに、来年度は、ヴェーダ関係の基本図書、インド古代法典類の基本的文献の収集に焦点を置きたい。 また今年度は、昨年同様、古典インドに関係する主な学会に参加することができ、国内外の研究者と直接的な情報交換の機会を多くもつことができた。このため多大な刺激を受けることができ、大変有益だった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 茂木秀淳: "叙事詩の宗教哲学-Moksadharma-parvan和訳研究(XVI)"信州大学教育学部紀要. 100. 57-68 (2000)
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[Publications] 茂木秀淳: "叙事詩の宗教哲学-Moksadharma-parvan和訳研究(XVII)"信州大学教育学部紀要. 101. 21-32 (2000)
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[Publications] 茂木秀淳: "叙事詩の宗教哲学-Moksadharma-parvan和訳研究(XVIII)"信州大学教育学部紀要. 101. 33-44 (2000)
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[Publications] 茂木秀淳: "叙事詩の宗教哲学-Moksadharma-parvan和訳研究(XVIII)"信州大学教育学部紀要. 101. 33-44 (2000)