2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610021
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
茂木 秀淳 信州大学, 教育学部, 教授 (30157838)
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Keywords | Moksadharma / Epic / early Samkhya / daharma / varna / moksa |
Research Abstract |
研究3年目にあたる本年は、研究計画にそって以下の基礎的作業を行った。 1.Moksadharma章の解読作業 基礎的作業としての解読は、昨年度に引続いて行い、第271章から第300章まで粗い訳を施した。この部分には、ジャナカ王に対してパラーシャラ仙がダルマを説く章(279-287)、290章以降の数章に見られるサーンキヤ、ヨーガに関連してある程度まとまった内容をもつ章があるが、表現や内容に晦渋な詩節が多く、解読に手間取った。解読に際しては昨年同様異本としてKumbhakonam版も参照しつつ、作業を行った。 動詞の用法については、昨年同様、一つ一つの用例に注意を払っている。どのような観点からとらえると、何らかの差異が浮かんで来るか、まだ確定的なものはない。数章にわたって、試験的に、動詞の過去、不定過去、アオリスト、迂説完了形の用法に差異が見られるか、考察したが、用例に一定の傾向を見出すことはできなかった。この観点は、今後も検討していくが、来年度は、manas, buddhi, citta, ahamkaraなどの心理器官と動詞との関連を考察して、名詞の概念をより明確にするという方法もとってみたい。 解読の継続と同時に、昨年同様、翻訳を活字化しておくことも続けたが、活字化できたのは第250章までであり、やや不十分であった。 2.関係資料の収集、情報収集 文献については、昨年来のジャイナ教、法典類の基本的資料の収集を継続して行い、主たるテキストはおおむね収集することができた。来年度は、叙事詩関連の主要論文を入手することに務めたい。Mahabharataの重要な刊本であるカルカッタ版の入手に務めたが、結局国内では入手不能のようである。また今年度も、古代インドに関係する学会に参加し、国内外の研究者と情報交換の機会をもつことができて、多くの刺激を受けた。
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Research Products
(2 results)