1999 Fiscal Year Annual Research Report
18世紀日本の対外観の研究-対中国・朝鮮観を中心に-
Project/Area Number |
11610046
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
桂島 宣弘 立命館大学, 文学部, 教授 (10161093)
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Keywords | 華夷思想 / 対外観 / 明清王朝交代 / 近世日本儒学 / 国学 / 自他認識 |
Research Abstract |
本年度は、研究代表者のこれまでの科学研究費補助金による研究を総括するために、『思想史の十九世紀』を五月に刊行した。また、研究代表者が主催する華夷思想研究会を合計7回開催し、研究代表者を含めた日本在住の研究者から以下のような報告が行われ、古代から近世日本における華夷思想(対外観)に関する研究の現状について理解が深められた。4月16日「近世仏教の世界観の変容」「日本国王冊封をめぐる自他認識」、5月30日「明の遺民黄宗義における明清交代」「徂らい学の継承と創出」、6月18日「華夷思想のための試論」「神功皇后像の変容と対外観」、7月24日「元治元年十月大島友之允建白書をめぐる覚書」「近世の自国意識」、9月25日「老人と衆夷」「沖縄空手をめぐる歴史叙述」、10月24日「考証家における古今と華夷」「自然観の変容と華夷思想」、1月29日「植民地朝鮮における東方という境界とナショナルな知の形成」。また、8月17日から20日にかけては、韓国済州島済州大学校で開催された日韓宗教フォーラムで報告し、日韓の対外観について研鑚を深め、相互の議論を行った。これと並行して、近世北方史関係の史料の収集、及び最近の対外観についての研究書、及び明清時代の対外観についての史料・書籍の収集を行った。これらの研究活動を通じて、来年度以降における研究代表者を編者とする『華夷思想の転回と解体』(仮題)刊行の目処がほぼ得られた。今後は、東アジアの思想連鎖の検討が課題となるだろう
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Research Products
(2 results)