2000 Fiscal Year Annual Research Report
テクスチュアルな詩篇挿絵のイメージ変換に関する総合的研究
Project/Area Number |
11610057
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
鼓 みどり 富山大学, 教育学部, 助教授 (40272885)
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Keywords | 写本挿絵 / 詩篇挿絵 / リテラリスム / ユトレヒト詩篇 / シュトゥットガルト詩篇 / セント・オールバンス詩篇 |
Research Abstract |
今年度は、西欧中世のテクスチュアルな詩篇挿絵の実地調査をヴァティカン図書館で行い、バリー・セント・エドマンズ詩篇(アングロ・サクソン、11世紀)、バルベリーニ詩篇(ビザンティン、11世紀)、ギリシャ語1927番(ビザンティン、11世紀)を調査した。写本の実地調査は、保存上の問題など、さまざまな制約がつきものであるが、ヴァティカン図書館のスタッフによる親切な対応が、調査を実り多いものにしたことを感謝したい。 調査の現場で、これまでに作成してあったテクスチュアルな詩篇挿絵の一覧表を確認しつつ、充実させた。調査した3写本は、いずれもリテラリスムについて興味深い様相を呈示している。新たに得られたデータを整理し、考察の作業に入りつつある。 2000年はキリスト教の大聖年にあたるため、ヴァティカン図書館の企画による大規模な展覧会"Codoce I Vangeli dei popoli(福音書展)"(Roma,Palazzo della Cancelleria),"Ilvolto di Cristo(聖顔展)"(Roma,Palazzo delle Esposizioni)が開催され、見学の機会を得た。いずれも最新の研究成果をふまえ、充実した内容であった。普段図書館に秘蔵されている貴重な書物を実際に見ることが出来て大変に喜ばしかった。また今後の研究方向を定める多大な示唆を得た。 ユトレヒト詩篇で培われた画面構築の手法を生かした、サン・パオロの聖書への理解を深めるため、まず関連する先行研究を整理して、今後検討すべき問題点を絞り込んだ。
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Research Products
(1 results)