2000 Fiscal Year Annual Research Report
自己刺激行動における脳内アセチルコリンの役割に関する生物心理学的研究
Project/Area Number |
11610074
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
中村 直人 浜松医科大学, 医学部, 教務員 (30211436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 大一郎 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80128389)
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Keywords | 脳内自己刺激行動 / アセチルコリン / 中脳橋被蓋野 / 腹側被蓋野 / Fos蛋白 / マイロダイアリシス / 二重染色 / GABA |
Research Abstract |
脳内自己刺激行動において、従来は中脳腹側被蓋野を起始核として側坐核、前頭前野に投射するドーパミン神経が重要だとされてきた。しかしながら、Yeomansら(1985)、Blahaら(1996)の研究により、腹側被蓋野のドーパミン神経は中脳橋被蓋野(mesopontine tegmentum)から投射するアセチルコリンにより調節を受けていることが知られるようになった。また、脳内自己刺激に伴うFos蛋白の発現部位の多くがアセチルコリン起始核であることも見いだされている(Nakaharaら、1999)。これらのことから、自己刺激行動にアセチルコリンが重要な役割を果たしていると考えられる。 本年度は、マイクロダイアリシス法により中脳橋被蓋野コリン作働性神経核の投射野である腹側被蓋野における自己刺激行動中のアセチルコリン放出の変化を調べた。また、中脳橋被蓋野において自己刺激行動後に発現するFos蛋白と、コリンアセチル基転移酵素(ChAT)、あるいは、中脳橋被蓋野においてアセチルコリンニューロンと同様に数多く分布しているGABAニューロンとの二重染色を行った。 その結果、腹側被蓋野におけるアセチルコリンの細胞外濃度は自己刺激行動中に有意に上昇した。また、二重染色の結果、Fos陽性細胞は自己刺激行動中に有意に増加したが、そのほとんどはChAT陽性細胞上にはなかった。一方、Fos陽性細胞の48.5%はGABA陽性細胞上にあった。 これらのことから、脳内自己刺激行動により中脳橋被蓋野のコリン作動性神経の投射野においてアセチルコリンの放出量は増大するが、その生合成酵素(ChAT)の活性化には転写調節因子Fosを必要としないこと、自己刺激行動にGABAが何らかの役割を果たしていること、が示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ishida,Y.: "Immunohistochemical characterization of Fos-positive cells in brainstem monoaminergic nuclei following intracranial self-stimulation of the medial forebrain bundle in the rat."European Journal of Neuroscience. (in press). (2001)
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[Publications] Nakahara,D.: "Intracranial self-stimulation induces c-Fos expression in GABA-ergic, but not cholinergic, neurons in the rat mesopontine tegmentum."Neuroscience. (in press). (2001)
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[Publications] Nakahara,D.: "Lack of glucocorticoids attenuates the self-stimulation-induced increase in the in vivo synthesis rate of dopamine but serotonin in the rat nucleus accumbens"European Journal of Neuroscience. 12(4). 1495-1500 (2000)
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[Publications] Nakahara,D.: "Intracranial self-stimulation increases differentially in vivo hydroxylation of tyrosine but similarly in vivo hydroxylation of tryptophan in rat medial prefrontal cortex, nucleus accumbens and striatum"Brain Research. 864. 124-129 (2000)