1999 Fiscal Year Annual Research Report
性・体発達に影響するストレスの季節性・耐性・メラトニンについての条件分析
Project/Area Number |
11610076
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
井深 信男 滋賀大学, 教育学部, 教授 (70110757)
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Keywords | ストレス / 季節性 / 精巣発達 / 体重 / 冬眠 / シリアンハムスター / 光周性 |
Research Abstract |
動物は、餌や水がいつ剥奪されるかを予測できないとき、ストレスに陥り、性腺や体重発達は抑制される。また、冬眠動物では、性線が萎縮するため早く、長く冬眠することが仮説される。本年度の計画においては、秋・冬を模した短日光周環境(明暗比11:13,10:14,9:15,8:16)と春・夏を模した長日光周環境(明暗比13:11,14:10,15:9,16:8)に春型繁殖動物であるシリアンハムスターを長期間暴露し、水のランダム50%剥奪による体重発達と精巣発達への効果を調べている。 まず、すべての雄のシリアンハムスターを中性的な光周環境(明暗比12.5:11.5)に6週間暴露した後、半数の動物を短日に、残る半数の動物を長日に移行し、12週間この環境に暴露する。この12週間の間、短日暴露動物の半数と、長日暴露動物の半数は水をランダムの割合で50%の日に剥奪された。一方、それぞれの群の動物の半数は、統制群として水を剥奪されることはない。 実験は、現在も進行中であるが、これまでの体重発達の結果から、自然では秋・冬に向かう短日光周環境では、水のランダム50%剥奪の体重発達への阻害効果は大きく、春・夏に向かう長日環境に比べ、体重の増加は抑制される。このことは動物のストレスに対する抵抗力、すなわちストレス耐性に季節性がみられることを意味している。精巣発達の効果は、12週間暴露後に、動物を麻酔薬で安楽死させた後、重量を測定する。
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