2000 Fiscal Year Annual Research Report
性・体発達12影響するストレスの季節性耐性・メラトニソについての条件分析
Project/Area Number |
11610076
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
井深 信男 滋賀大学, 教育学部, 教授 (70110757)
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Keywords | ストレス / 季節性 / 精巣発達 / 老齢 / シリアンハムスター |
Research Abstract |
本年度の研究目的は老齢動物と若齢動物のストレスに対する耐性を体重発達と精巣発達を指標として、秋・冬を模した短日環境下で実験的に評価することであった。 方法:雄のシリアンハムスター(実験終了時1年半以上)と若齢動物(約4.5ヶ月)を用いた。すべての動物(老齢群と若齢群)を明暗比LD12.5:11.5の光環境下に餌と水を充分与え5週間暴露した。5週間経過後動物を年齢(老齢、若者)、水剥奪(あり、なし)の組み合わせで、4群に分けた。水剥奪は11週間の実験期間中ランダムに50%の率で行われた。餌(草食動物用固形飼料)は実験の全期間をとおしてすべての動物に与えられた。これまでの私たちの研究から、水がいつ剥奪されるかを動物が予測できない事態はストレスフルに働くことが明らかとなっている。 短日の光環境はLD11:13→LD10:14→LD9:15→LD8:16へと3週間ごとに段階的に、明暗サイクルの明期を短くした。つまり自然の秋分から冬への光環境の移行を動物に経験させたことになる。温度は20±2℃であった。全実験終了の16週後に動物に麻酔薬を過剰投与し、サクリフャイスした後、直ちに両精巣を摘出した。 結果:若齢群、老齢群ともに水剥奪群の精巣重量は統制群に比べ、軽くなった。つまり、精巣発達はストレス負荷により、抑制されたと言える。さらに、興味深いことは、統制群に対する抑制率を比べると、老齢群60%、若齢群15.2%と圧倒的に、老齢動物において、ストレスによって精巣発達は抑制されたと言える。 体重についても同じ傾向が観察され、剥奪により両群とも体重増加は抑制されるが、若齢群では水剥奪にもかかわらず体重は増加傾向を示した。一方、老齢動物においては水剥奪により体重は減少し、ストレスによる体重抑制は顕著であると言えた。
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[Publications] Terada, A., & Ibuka, N.: "Age Effect hibernation in the Syrian hamsters (Mesocricetirs accratus)"Chronobiology Intenacional. 17(5). 623-630 (2000)