2000 Fiscal Year Annual Research Report
超低出生体重児の行動問題の初期発達に関する縦断的研究
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11610077
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Research Institution | Baika Women's College |
Principal Investigator |
金澤 忠博 梅花女子大学, 文学部・人間科学科, 助教授 (30214430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 徹弘 大阪大学, 人間科学部, 教授 (40030043)
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Keywords | 極・超低出生体重児 / 行動問題 / 簡易版新生児行動評定尺度 / 注意集中困難 / 初期兆候 / ワンゼロサンプリング法 / 下肢の動き / 検査者への注視 |
Research Abstract |
極・超低出生体重児を対象に、NICUにおいて対象児を担当する看護婦による簡易版新生児行動評定尺度を用いた評定を実施した(N=24)。さらに、4ヶ月、10ヶ月、18ヶ月齢の各時点で新版K式発達検査を実施し、検査場面における対象児の行動をVTRに記録し、ワンゼロサンプリング法による定量的分析を行った。その結果、NICUにおいて、活動性が高いと評価された児ほど、4ヶ月齢の検査場面でよく泣く傾向が見られた(p=0.07)。また、NICUにおいて、いらだち易く、なだめにくく、抱きにくく、強化値が低い(大人を引きつける魅力に乏しい)と評価された児ほど、4ヶ月齢では、下肢の動きが活発である傾向が認められた(p<0.1,p<0.1,p<0.1,p<0.05)。抱きにくいという評価は、上肢の動きの活発さとも相関を示した(p<0.05)。また、4ヶ月齢で、上肢や下肢の活動性が高かった児は、10ヶ月齢の検査場面で、検査者への注視が少ない傾向が見られた(p<0.05,p<0.1)。10ヶ月齢における検査者への注視の少なさは、将来の注意集中困難を予見させるが、本研究の結果からは、さらにその初期兆候として4ヶ月齢における上肢や下肢の動きの激しさが認められたことが注目される。特に、下肢の動きの激しい子どもは、NICUにおいて、いらだち易さ、なだめにくさ、抱きにくさ、強化値の低さを特徴とし、いわゆる育てにくい子どもであったことも注目に値する。対象児の中には、NICUにおけるカンガルーケアや退院後1年間月1回の母子グループによる早期介入を受けた児も含まれていたが、これまでの分析により、カンガルーケアを受けた児は1歳半の時点で発声・微笑みを多く示すという結果が得られており、今後行動問題の予後をさらに追跡すると共に、早期介入が行動問題の出現に与える影響についても分析する必要がある。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 金澤忠博 他: "超低出生体重児の知能発達の長期予後"小児科. 41・5. 803-813 (2000)
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[Publications] 南徹弘: "金沢論文に対するコメント"心理学評論. 43. 217-219 (2000)
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[Publications] 金澤忠博: "橘英彌(編著)「障害児教育に生かす心理学」障害児教育への心理テストの活用:心理テストの種類"朱鷺書房. 275(30) (2001)
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[Publications] 金澤忠博: "岡野恒也(監修)「社会性の比較発達心理学」14章 障害児の行動発達"アートアンドブレイン(印刷中).