Research Abstract |
長期飼育実験箱(W95×D65×H55cm)を4台使用し,ラットを各一匹飼育した.常時有効な,給水瓶を1台,フッド・カップを一つ,レバー装置を1台,一つの壁に等間隔で配置してあった.この給餌壁面の反対側には,床面から10cm深さで,大鋸屑を入れた巣(W27×D60×H10cm)が,作られた.ラットは,この状況下において自由にレバーを押し,実験者によってあらかじめ定められた強化スケデュールの下に提示されるフッド・ペレットを,任意に摂取できた.用いられた強化スケデュールは,2匹についてはFRスケデュール(ラットA, C),他の2匹についてはVRスケデュール(ラットB, D)であった.FR, VRともに,強化スケデュールのサイズは,5,10,15,20の順に,レバー押しの安定期を経て,変更された.各スケデュール下における最終日の,ラットの1日相当の,レバー押し総回数,レパー押し総時間は以下のとおりであった. (1)各強化スケデュール下におけるラットのレバー押し回数(回). <スケデュール> <ラット> <FR5> <FR10> <FR15> <FR20> FR ラットA 1917 3590 5145 6978 FR ラットC 1794 3642 4964 6138 VR ラットB 1921 4210 7522 8753 VR ラットD 1899 3660 5153 6955 (2)各強化スケデュール下におけるラットのレバー押し総時間(秒). <スケデュール> <ラット> <FR5> <FR10> <FR15> <FR20> FR ラットA 648.38 715.25 472.28 622.03 FR ラットC 443.68 欠落 807.00 907.13V R ラットB 637.46 1271.28 2146.79 2444.08 VR ラットD 585.87 欠落 775.32 1102.54 1)レバー押し回数に関しては,強化スケデュールのサイズが夫きくなるにつれて,増大している.また,FRスケデュールにおけるよりもVRスケデュールにおける方が,反応数は多くなる例が見られた. 2)レバーを押し下げている時間については,FRスケデュールにおけるよりもVRスケデュールにおいて,多くの時間がとられていることが明らかになっている.すなわち,レバーを押す時間は,VRにおいてFRの2倍以上の時間となっている.
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