1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610092
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
浮田 潤 関西学院大学, 文学部, 助教授 (30299044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 浩成 愛知教育大学, 教育学部, 助手 (80275148)
横山 詔一 国立国語研究所, 情報資料研究部, 主任研究官 (60182713)
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Keywords | 日本語 / 電子メディア / 日本語テキストデータ / 表記 / JIS漢字コード / 単語認知 |
Research Abstract |
1.研究代表者(浮田)は、自らが中心となって調査した日本語表記の主観的表記頻度に基づく単語の表記型のデータを用いて、ひらがな書き単語の認知における表記の親近性の効果を実験的に検討した。その結果、同じひらがな表記の単語であっても、日常ひらがなで表記されることの多いひらがな型の単語は、漢字表記が普通である漢字型の単語よりもはやく認知されることが明らかとなった。また、この効果は、ひらがな型の単語が、ひらがな表記された形において1つのユニットとして処理されることによってもたらされる可能性が確認された。この知見からは、日本語表記に関する基礎的データが、心理学研究において有効であることが改めて示された。 2.研究分担者(横山・野崎)は、電子メディア化された新聞記事データベースの分析を進め、そのなかで日本語テキストデータを扱う上での問題点を検討した。特に、JISコードの問題点に起因して新聞記事が電子メディア化される際に、うまくデータ変換されない事例のあることを発見し、さらにその原因も明らかにした。また、このような問題を解決するための手法についても研究を進めた。この研究は、今後様々な日本語資源を電子メディア化していくにあたって貴重な知見となった。 3.研究代表者と研究分担者は協力して、日本心理学会第63回大会においてワークショップを開催し、心理学研究に用いる日本語資源のデータを整備していく際に必要とされる方向性について、広く意見の聴取を行なった。
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