2000 Fiscal Year Annual Research Report
中学校入学時の生徒と保護者の適応援助のための教育的介入プログラム開発
Project/Area Number |
11610124
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
小泉 令三 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (90195644)
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Keywords | 中学校入学 / 学校適応 / 介入プログラム / 環境移行 / 適応援助 / 社会的スキル / 学校・家庭連携 / アンカーポイント |
Research Abstract |
本年度は3年計画の2年目にあたり,初年度に選定した研究協力校(3中学校)で新入生対象の教育的介入プログラムを実施した。また前年度末の新入生と保護者対象の入学説明会の評価と,改善策の提案を行った。具体的には,(1)中学校新入生の友人関係向上をめざした社会的スキル学習(4セッション)を,正規の授業時間内にクラス単位で実施した。その結果,入学直後の4月よりもむしろ6月に行なう方が,社会的スキルに関して効果のあることが明らかになった。これには,友人関係の安定にともなう新たな人間関係上の問題発生が関係しているのではないかと推測された。(2)別の実施形態として,入学直後の4月に実施された新入生合宿(3泊4日)での集中形式を,事例検討的に試みた。社会的スキル学習は,同じく4セッションであった。その結果,プログラムの実施によって社会的スキルの向上した者については,学校適応に関する他の指標でも好ましい傾向が認められた。(3)前年度入学説明会で,上級生やPTA代表の役割に注目して改善を行った中学校では,説明会記録にもとづく第3者(大学生)による評定の結果,中学校の印象が好ましい方向で評価されることが明らかになった。これは,中学1年生の授業風景の参観などを含めて,中学校についての情報が豊富であること,また多くの面で中学校環境との交流を促進する好ましいアンカーポイント(例:頼りになる上級生,受容的な中学校教員)が提供されることによると考えられた。こうした結果をもとに,今年度末の新入生説明会のための改善点提言を行なった。
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[Publications] 小泉令三: "中学校新入生と保護者を対象とした入学説明会改善の試み-コンサルテーションによる介入を通して-"福岡教育大学心理教育相談研究. 5. 13-21 (2001)
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[Publications] 山城幸恵,小泉令三: "集団を対象とした社会的スキル訓練の実践-中学校新入生の宿泊研修において-"福岡教育大学心理教育相談研究. 5. 61-76 (2001)