2000 Fiscal Year Annual Research Report
組織変革の心理的インパクトと定着過程に関する実証的研究
Project/Area Number |
11610125
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
古川 久敬 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (30190143)
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Keywords | 組織変革 / 成員の価値観 / 変革モチベーション / E-mail導入 / 知識とスキルの学習 |
Research Abstract |
1「変革」タイプを整理し、それらが持つ心理的インパクト(プラス効果と副作用)を検討した。 変革プログラムについて、どのような手順や手続きで導入されているかを鳥瞰して整理した。種類や内容でいえば「構造的変革」(例えは階層構造や組織編成の変更など)と「制度的変革」(例えば役割の変更、業績評価、人事処遇と報酬分配原理の変更など)に大別できた。 2組織変革の進行について、変革推進者である組織成員の観点から検討した。 従来の組織変革に関わる研究は、それらの多くが経営トップや組織側から記述されたものであった。ここでは成員の有している価値観に注目し、その価値観と変革モチベーションとの関係性について、変革プログラムを推進している企業組織の一般成員を対象として実証的な分析を行った。 9つの価値観カテゴリーを抽出し、それらのうち、変革モチベーションに対して、"評価・処遇における多様性の許容"と"組織によるビジョン提示の理解と内在化"が強い関わりを持っていた。 3電子コミュニケーションの新規導入が組織にもたらすインパクトを検討した。 組織の業務活動にE-mailを導入し、活用している組織に注目した。またチーム活動の新しい分析方法としてサーバーに保存されている通信記録(ログ)の内容分析を採用し、これの時系列分析を行った。その結果、営業活動を行っている高業績チームの特性が明瞭になった。営業活動にとって不可欠の"知識とスキル"および"価値と基準"の学習がなされているチームほど高業績をあげていることが示された。 4研究成果のまとめを行った。 平成12年度の研究成果について報告書としてまとめを行った。またこの後、平成11年度の成果とともに総合的なまとめを行うことを考えている。
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[Publications] 古川久敬: "Learning of knowledge and skills as a prerequisite for connecting motivation with higher team performance"Psychological Research of Kyushu University. 2巻2号. 1-9 (2001)
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[Publications] 柳澤さおり,古川久敬: "組織成員の仕事へのモチベーションが情報処理活動におよぼす効果"産業・組織心理学研究. 13巻1号. 11-18 (2000)
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[Publications] 上則直子,古川久敬: "チーム業績の規定要因としての成員による価値・基準および知識・スキルの学習"産業・組織心理学研究. 14巻1号. 65-74 (2001)
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[Publications] 作田稔,梶谷伸一郎,古川久敬: "組織変革に向かうモチベーションと関係する成員の価値観要因"産業・組織心理学研究. 14巻1号. 57-64 (2001)
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[Publications] 古川久敬: "(増補版)基軸づくり-創造と変革を生むリーダーシップ"富士通ブックス. 337 (2000)