2000 Fiscal Year Annual Research Report
日本語教室をめぐる人的資源と日本児、外国籍児の社会文化的認識発達
Project/Area Number |
11610135
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
斉藤 こずゑ 国学院大学, 文学部, 教授 (70146736)
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Keywords | 国際化 / 多文化化 / 外国籍児 / 日本語教育 / 社会的サポート / 社会文化的認識発達 / 縦断観察 / フィールド観察 |
Research Abstract |
1,目的:本研究は、今日の日本の国際化、多文化化状況の中で、外国籍児をめぐる問題に焦点を当て、日本語教室におけるフィールド縦断観察によって、人的資源、および組織の公式、非公式な変化が、日本児および外国籍児の社会文化的認識発達にどのように関係するかを明らかにすることを目的とした。 2,観察経過:11年度は、中学生、小学生の日本語教室での活動の他、メインストリームの教室での日本児、外国籍児の縦断観察を行い、12年度も継続し現在に至っている。日本語教室での外国籍児の活動と、正規の教室での活動の差違、およびその縦断的変化などについて、興味深い知見が得られた。例えば、外国籍児にマンツーマンで援助する補助教員の参加とその制度の廃止をめぐり、それに代わる非公式なサポーターを教師側や外国籍児本人がリクルートするなど、公式な制度の有無によらず、新しい社会的サポートシステムが、自然発生的に柔軟に加わることで、事態に変化が見られた。このような結果から、本研究の目的である、日本児および外国籍児の社会文化的認識発達への人的資源の流動の影響について検討する。 3,インタビュー調査:日本語教室教師、外国籍児の担任教師、保護者それぞれが、外国籍児について記述した資料をもとに、インタビュー項目をつくり、個別に調査を行った。地域の保育園にも、外国籍児の入学に関する諸種の事項について、聞き取りを行った。この結果を観察研究の結果と関係付けることによって、重層的に、日本の現代社会における日本児、外国籍児の社会文化的認識発達とそのメタ認識の特色を検討する。
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