1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610148
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
石王 敦子 追手門学院大学, 人間学部, 助教授 (80242999)
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Keywords | ストループ干渉 / バイリンガル / 単語読み / 色命名 / 教授法 |
Research Abstract |
外国語がどのように学習されるのか、第2言語の学習過程に影響を与える要因を検討するため、本年度は言語の獲得方法に着目し、上達度に及ぼす効果を検討した。日本の英語教育では、伝統的な文法中心的教授方法が行われていることが多い。本研究では、1ヶ月間の海外語学研修に参加した学生が、コミュニカティヴアプローチによる教授方法と、さらに日常生活を海外で過ごすということによって、どれだけの語学力を獲得できるものなのかをストループ干渉量を測度にして検討した。被験者は日本語を第1言語とする大学生14名であった。研修の最初に、英語の熟達度によって3グループに分けられた。60個の色パッチ(赤・青・緑・黄色)のシート、色単語がその表す色とは異なる色で印刷されているストループ刺激のシート(英語・日本語)が用いられ、被験者は、できるだけ早く色名を日本語(または英語)で命名するように求められた。さらに外国での生活に対する適応度と英語の授業に対する満足度をたずねる質問紙が行われた。ストループ干渉では、各言語内と言語間の干渉量が比較された。その結果、各干渉量についてはグループ間の差はみられたものの、研修前と研修後で明らかな差は見られなかった。また生活の適応度や授業への満足度については、各グループ間で差がなく、したがって上達度においても差は見られなかった。リスニング能力では、上位グループのみ上達が見られた。獲得方法による差が明らかにならなかったのは、学生の動機づけに個人差があり、研修や日常生活で英語を使うことに積極的な学生とそうでない学生がいたことにもよると考えられる。しかし研修後の自己評定では、全体的に学生達の主観的満足度や英語を話すことへの自信は非常に高かった。従って語学能力の熟達を何で測るかについての問題が次年度への課題となった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 石王敦子: "外国語の学習過程-ストループ課題を用いて-"追手門学院大学人間学部紀要. 9. 1-11 (2000)
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[Publications] 石王敦子,落合正行: "大学における課外活動評価の試み-海外セミナーの充実をめざして-"追手門学院大学教育研究所紀要. (印刷中).
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[Publications] 石王敦子: "異なる文化に生きる-バイリンガリズム-"追手門学院大学心理学論集. (印刷中).